アメリカでは住宅を購入する独身女性の割合が増加、独身男性を上回る ── 決断の理由を経験者に聞いた(海外)
持ち家に自立を見出す独身女性
では、なぜ独身女性の方が統計的に、独身男性よりも住宅を購入する確率が高いのだろうか? NARの会員・消費者調査の責任者であるブランディ・スノーデン(Brandi Snowden)氏は、これはライフスタイルの選択と女性特有の社会的役割によるところが大きいとBusiness Insiderに語った。 多くの独身女性が住宅を購入するのは、自立を望んだり、離婚を経験したり、子育てを担っているからだとスノーデン氏は説明した。 NARによると、独身女性の住宅購入者は一般的に独身男性よりも年齢が高く、女性の平均年齢(中央値)が60歳であるのに対し、男性は58歳だ。 「こうした購入者たちは離婚したばかりだったり、自分のためだけでなく子どもや両親のために住宅を購入することもある」とスノーデン氏は言う。
わたしにあるのは「自分とこの住宅ローンだけ」
配偶者なしでの住宅購入には、DINKs(共働き、子なし)世帯ではないため手狭なマンションに落ち着くといった、それなりの困難があるとコブレイロさんは話している。 連邦準備理事会(FRB)の家計金融調査(Survey of Consumer Finances)のデータによると、DINKsの純資産の中央値は20万ドル(約3130万円)を超えている。この経済的優位性のおかげで、彼らは余裕をもって住宅を購入したり、ボートや高級車といった贅沢品に可処分所得を費やすことができる。 ただ、女性の経済的、社会的自立が進む時代にあって、共働き世帯に経済的なメリットがあっても、自立した生活を選択する女性は少なくない。 コブレイロさんは30年のローンを組んでいて、毎月の返済額は2500ドル(約39万円)、さらにHOA費用(日本の分譲マンションにおける管理費や修繕積立金に類するもの)として1000ドル(約15万7000円)を支払っている。その全てがコブレイロさんの肩にかかっている。 「快適に暮らしていますが、解雇されたり、足を骨折したり、緊急事態に直面しても自分のことは自分でやらなければなりません」 とコブレイロさんは語った。 「友人にはいつも、わたしにあるのは『自分とこの住宅ローンだけよ』と言っているんです」 それでもコブレイロさんは、"1人で家を持つことのメリット"が"交際相手と一緒に購入するのを待つことのリスク"を上回ると考えている。 「恋人や結婚を待たずに家を買って良かったと思っています」とコブレイロさんは言う。 「将来を約束していない相手と家を持つのは、特にあとで別れた時に厄介なことになります。婚前契約のようなものもありません。売却をめぐって意見が合わなければ、面倒なことになりかねません」