【RIZIN】青木真也〝大みそか決戦〟徹底分析 MVPは「シナ・カリミアンに決まってるだろ!」
大みそかの格闘技イベント「RIZIN DECADE」(さいたまスーパーアリーナ)は、今回も大きな話題を振りまくイベントとなった。節目の10回目を迎えた大みそか大会を〝バカサバイバー〟こと青木真也(41)が忖度なしに振り返る。MVPに指名したのはまさかのあの選手だ。 興奮のイベントから一夜明け、電話取材に応じた青木は新年のあいさつもそこそこに、前夜のイベントを分析。まず大会全体のMVPを問われると「そんなのシナ・カリミアンに決まってるだろ! 今回はカリミアンという逸材が見つかっただけでもいいんじゃないか?」と声をしゃがれさせた。 K-1の〝反則王〟ことカリミアンは、安保瑠輝也と2分6ラウンドのボクシングに準じたRIZINスタンディングバウト特別ルールで対戦した。〝狂虎〟タイガー・ジェット・シンのテーマ曲「サーベルタイガー」で入場しゴングが鳴らされると、手数よりも口数の方が多く「弱い、弱い」「効かない」などとノーガードで安保を挑発。最終6ラウンドにはルールで禁止されているバックハンドブロー(裏拳)を繰り出す始末で、もみあいになって間に入ったレフェリーにパンチを当てるなど、やりたい放題だった。 当然大ヒンシュクだったが、これがひねくれ者の心に突き刺さったようで「まず、何より顔がいいんだよ。この大会で一番得したのはカリミアンだ」と興奮を隠さない。そして「リアクションがいいから『次は誰と戦うといいか』とか考えると楽しい。プロレスも向いていると思うんだ。〝令和のボブ・サップ〟になれるよ」と大絶賛だ。さらに「引き抜きが得意なGLEATが引き抜くんじゃないかが心配だ。中嶋勝彦とUWFルールで戦うと盛り上がると思う」と元日から夢想した。 年頭からエンジン全開の青木は、注目の試合についても語る。まず視線を向けたのが、朝倉未来率いる「ジャパントップチーム(JTT)」の次期エース候補・秋元強真の戦いだ。3R共に元谷友貴にテークダウンされてバックを奪われると、防戦一方になって判定負けを喫した。これに青木は「まさにJTTだったな。グラウンドが〝マグロ〟」とメガネを光らせる。 近年、寝技の攻防を嫌う選手が多い傾向を指摘した青木は、その理由を「結局みんな、面倒くさいことが嫌いなだけでしょ。グラウンドは面倒くさいから」と一刀両断。続けて「JTTも立ち技からMMAに転向したヤツらも結局、意地悪なことをできないじゃん。グラウンドって面倒くさい上に意地悪じゃないといけないんだ。実際、そういう人が寝技がつよいでしょ」と力説した。妙に説得力があるのはなぜだろうか…。 そして、舌の根も乾かぬうちに「今こそJTTは俺の力が必要だろ。ぜひともコーチのオファーが欲しい。断りたい」と面倒なことを口走った。 盛り上がってきた青木は「福田龍彌さんは、芦澤竜誠を倒したくらいで調子に乗るんじゃない! お前のパンチじゃ、皇治は倒せないぞ。倒せるもんなら倒してみろ! 勝つには勝てるだろうけど。シェイドゥラエフだろうがダウトベックだろうが、うちの皇治は倒せないぞ。勝てても倒せない!」とまくしたてて「で、タイトルマッチだけど…」と話題を変えた。お正月はここからが本番だ。寝ている暇などない。
前田聡