「毎年欠かさずやってます」料理好き・トニセン長野博さんがハマった“手しごと”とは?
クックパッドのポッドキャスト番組「ぼくらはみんな食べている」。食や料理に熱い思いを持ち活躍するゲストを迎え、さまざまな話を語ります。クックパッド初代編集長の小竹貴子がパーソナリティを務めます。今回のゲストは、20th Centuryの長野博さんです。 ◇ ◇ ◇
「外食」に行く機会が多かった幼少期
小竹:長野さんというと、食べるのが好きで、お料理も好きで、業界きっての食の探究者というイメージがあります。 長野さん(以下、敬称略):いやいや、本当に好きで興味があるんです。僕は知ることがすごく好きで、人の話も聞きたいし、知識として蓄えたいという感じです。 小竹:食べ物には子どもの頃から興味があったのですか? 長野:うちは自営業なんです。自転車屋さんで、今も父親が経営しているのですが、自営業だと夕飯を食べる時間が結構遅いんですよね。 小竹:わかります。うちも米屋なのですが、8時半くらいでした。 長野:うちも9時とかが普通でした。そうすると、お腹が空いちゃうから、お菓子とかカップラーメンとか簡単なパスタとかを繋ぎで食べてから夕飯みたいなことがあったり、外食も結構多かったりしたんです。 小竹:それはご家族で? 長野:家族で行くこともありますし、うちの2軒隣くらいにラーメン屋さんがあって、多いときは週3回くらいでそこに行っていたり、牛丼屋さんに家族分を買いに行ったり、そういうことがすごく多かったんです。なので、外に食べ行くことが自然に自分の中に落とし込まれたというか。 小竹:私は田舎で外食がないからスペシャルなときしか行けませんでしたが、長野さんは日常の中に家庭料理も外食もあった感じなのですね。 長野:そうですね。もちろん母親もよく作ってくれていたのですが、外食の機会も意外と多くて。あと、今思い返すと、車で30分くらい行くところに連れて行ってくれたりもしましたね。 小竹:それは何のお店ですか? 長野:アメリカンステーキのお店で、サラダバーがあって。「サラダバーというものが世の中にはあるんだ!」って驚いて、サラダでお腹いっぱいになっちゃったりしたこともありました(笑)。 小竹:わかります(笑)。 長野:あと、家の近くのとんかつ屋さんに行ったら、注文してから40分くらい待ったんです。たぶん注文を聞いてから肉を叩いてじっくりと揚げるみたいな店なんです。そのときに、「とんかつはこのくらい待つのが当たり前なんだ」と感じて。今の舌であのとんかつを食べてみたいと思ったりもします。 小竹:そのお店は今はないのですか? 長野:それは40年くらい前の話なので、お店はなくなっちゃったんです。そういうことがちょこちょこあったので、家でも食べる、外でも食べるというのが自然になっていったのかもしれないです。 小竹:食べることへの意識が高まったのも子どもの頃からですか? 長野:やっぱり行くのが楽しかったですからね。あと、1年に1回か2年に1回くらい、ちゃんとしたフレンチのお店に連れて行ってもらったのも覚えていて。そのときだけは普通の感じではなく、ちゃんと着替えて連れて行ってくれていたのを改めて思い出します 小竹:ご両親もおいしいものが好きだということですね。 長野:たぶんそうですね。あと、行くこと自体が好きですね。モーターショーとか宇宙博とか、そういうイベントにもよく連れて行ってもらいました。その頃は行くのが楽しくて、もちろん食べておいしいんですけど、そこで興味が培われたという感覚ではないかも。でも、今思うとそこがすごく大事だったんでしょうね。