プロ初Hの阪神藤浪はセットアッパーに本格転向すべきか
阪神の藤浪晋太郎(26)が29日、甲子園で行われた中日戦でプロ入り初ホールドをマークした。6-3で迎えた8回に登板、打者4人を無安打無失点に抑える内容で最速は159キロをマークした。中継ぎ陣に新型コロナウイルスによる離脱者が大量に出た影響で急造セットアッパーとして起用されているが、このままセットアッパーに本格転向した方がいいのでは?という意見も出始めている。
大声援をバックに159キロをマーク
1万人の「頑張れ」だった。 3点リードで迎えた8回。藤浪の名前がコールされ、ミスチルの登場曲に乗って背番号19がマウンドに上がると甲子園のボルテージが一変した。声を出しての応援スタイルの自粛が呼びかけられている中で拍手が一層大きくなった。 試合後、矢野監督が「特別な声援だった。晋太郎自身もそれを背に、思い切って投げることもできる」と、振り返ったほど。5000人から1万785人に増えた観客は、セットアッパーという新天地で生まれ変わろうとしている藤浪に期待を寄せていた。いやむしろ心から「頑張れ」と激励していたと言った方がいい。 先頭は、7番の阿部。初球はインコースへ抜け、2球目は、それを調整してアウトコースに引っかかった。いきなりボール2。去年までの藤浪の最悪パターンの始まりにも思えた。右打者に対し「ぶつけてはいけない」の過度な意識から制球が定まらないパターンである。 だが、この日の藤浪は違っていた。3球目に157キロのストレートでストライクを取ると4球目は159キロのストレートをアウトコースに決めた。観客がどよめく。 自身が持つ最速160キロに迫る球速をマークしたのである。結局、藤浪は阿部を四球で歩かせたが、その内容は、明らかに違っていた。続く打者は、6試合連続安打中で先の巨人戦ではヒーローになった木下である。またストレートがインコースに抜けてボールが2球先行した。ここで坂本がマウンドに行く。 何を伝えたのか。あくまでも推測でしかないが、この頭脳派のキャッチャーは、「クイックを使わなくてもいい」と助言したのだろう。