球界大御所が阪神の新型コロナ騒動と矢野監督”逆ギレ抗議”を「阪神は何をやってんだ!」とぶった斬る
阪神が7人の新型コロナウイルス感染者を出したことに続き、26日に神宮球場で行われたヤクルト戦では審判に外部からの情報伝達禁止のルールに抵触する行為の疑いを注意された矢野監督が激高、抗議するという騒動を起こした。巨人OBでヤクルト、西武での監督経験がある“球界大御所“の広岡達朗氏は「阪神は何をやっているのか!」と球団フロント、首脳陣の姿勢をぶった斬った。
「球団フロント、首脳陣の管理の甘さ」
「あきれている」が第一声だった。 阪神から1軍のレギュラークラスを含む5選手に新型コロナの感染者が出た問題について広岡氏は、その背景を問題視した。 「新型コロナは防ごうと思っても防げない大変なウイルスだ。それゆえに感染防止対策をしっかりと行わねばならない。3月に藤浪らのコロナ感染が発覚した際にも、私は阪神フロントの管理の甘さを指摘しているが、またやったのか、まだ管理ができていないのか、とあきれてしまった。だから巨人に勝てないんだ、というのが正直な気持ちだ」 3月に藤浪晋太郎ら3選手が新型コロナに感染した際にも、会食に参加していたことが問題視され、阪神の管理体制の甘さが指摘されていた。今回も阪神が1日だけ選手、家族のみで4人以内、個室、2時間程度、マスク着用などの細かい条件を付けた上で遠征先の外食を許可していたことが災難を招いた。そのルールを守って9月19日に名古屋で会食した浜地真澄、馬場皐輔の2人が感染、またそのチーム内のルールを破り、8人で、同日に別の飲食店を貸し切り会食した糸原健斗、陽川尚将、岩貞祐太の3人も感染が確認された。 広岡氏は、こう苦言を呈する。
「新型コロナは怖いが、PCR検査を定期的に受けている選手がグラウンドでプレーして遠征先の宿舎内で食事をしていれば感染リスクは下がるはず。今は立派な食事がホテルでは用意されている。おそらく酒を飲みに外に気分転換で出たいのだろうが、なぜ我慢できないのか。そこを我慢できないのが、二流、一流半の選手なのだ。一流選手は自己管理ができる。また球団は、なぜこの時期に遠征先での外出を許可したのか。球団の管理が甘いとしか言いようがない。外に出る息抜きより、投手はシャドーピッチング、野手は素振りをホテル内ですることが、今の阪神には必要だろう」 そして「これが巨人との差だ」と付け加えた。 「巨人も開幕前に感染者を出した。だが、その後、感染者の多い東京に本拠地を構えていながら感染者を出していない。聞くところによると、かなり厳しい選手の管理をしていると聞く。球界を代表するチームの責任、使命感があるのだろう。そこが巨人と阪神の差。巨人に一流選手が揃っているとは言えないが、少なくとも自己管理のできる一流選手が阪神よりも多いのだろう。巨人と阪神のゲーム差が広がっているのは、そういうところにも起因している」 巨人も、開幕前に坂本勇人、大城卓三がPCR検査で陽性反応を示した。その際、巨人は世論を操作するような「微陽性」という“まやかしの言葉“を使い、のちに、その言葉の”発信源”である「新型コロナウイルス対策連絡会議」座長の東北医科薬科大の賀来満夫・特任教授が「医学用語にはない。今後、使わないでいただきたい」と訂正する騒動にも発展したが、その後、感染者を出していない。 巨人も一時、細かい条件をつけて会食を許可した期間もあったそうだが、都内に“第二波“が発生してからは再び外食禁止令を出してチームを引き締めている。 広岡氏は、巨人と阪神のフロント、首脳陣のチーム管理手法の違い、組織力の違いが、「12.5」ゲーム差に根底でつながっているという意見だ。