西武に出てきた”ポスト秋山”…高卒4年目”新戦力”の鈴木将平はいかにしてヒーローになったのか?
「みなさんご覧の通り、初回に左中間へ飛んだ打球をお見合いするような、ボーンヘッドもするので」 指揮官が言及したボーンヘッドとは初回の一死から、ロッテの2番・マーティンが放った左中間への平凡な飛球をレフトのスパンジェンバーグとお見合い。二塁打としてドラフト同期の1位右腕・今井達也の足を引っ張り、ロッテに先制点を献上するきっかけを作ってしまった。 辻監督は「二度と繰り返してほしくないし、反省してもらわないと」と苦言を呈しながらも、汚名返上とばかりに積極的なバッティングから3打点をあげたその後の打席には思わず目を細めた。 「彼のいいところは前向きに向かっていく気持ちなので。その意味では高目に浮いた変化球を、一発で犠牲フライにしたところは、集中して見逃さなかったという点で彼らしいですよね。その次の2点タイムリーも、非常にいいヒットでした」 鈴木本人も不断の努力を積み重ねてきたなかで秋山の移籍、開幕からセンターを守ってきた金子侑司の体調不良による登録抹消、そして1番だったスパンジェンバーグの不振でチャンスが巡ってきた。若手が羽ばたく条件がそろっているなかで、それでも鈴木は自らの足元をしっかりと見つめている。 「秋山さんの後釜であるとか、これからすぐに上手くいくとは自分でも思っていません。自分としては順調に、というか、ステップを踏んでここまで来られていると思うので、これからも頑張っていくだけです。プロである以上はいろいろな方が見てくれていると思うので、自分の持ち味や自分の長所をどんどん出して、自分らしくプレーしていきたい」 新型コロナウイルスの影響で、当初予定の3月20日から約3カ月遅れとなった開幕戦を無観客試合で迎え、今月10日からは5000人を上限とするファンの観戦も解禁されたなかで、ロッテとの6回戦は本拠地のメットライフドームに今シーズン初めてファンが戻ってきた一戦でもあった。