なぜ阪神はわずか16日間で借金返済に成功したのか…”球界大御所”から矢野監督へのメッセージ
阪神が5カード連続の勝ち越しを果たし、一時は、セ・リーグのすべてを背負っていた借金を返済、勝率を5割に戻した。ナゴヤドームで3連敗していた中日に“3タテ返し”をし現在4連勝、首位の巨人とは4.5ゲーム差の3位につけている。好調の裏には、巨人OBで西武、ヤクルトで監督を務めた広岡達朗氏から矢野監督へのメッセージがあったという。“7月逆襲“を続けたい阪神は21日からホームに広島を迎える。 開幕から“危篤状態“にあった阪神が完全に息を吹き返した。16日のヤクルト戦から4連勝。19日の中日戦では、臀部に張りを訴えたボーアをベンチから外したが、ベテランの福留が4打点の活躍で、なんら影響もなく中日に11―3と圧勝した。 “守護神“の藤川が不調で2軍落ちするピンチもあったが、その危機が目立たぬほど、投打が噛み合い最大「8」まで膨らんだ借金を返済した。チーム好調の最大の理由は、打線の復調だろう。 7月3日の時点で.201だったチーム打率は.248まで戻った。それでもまだリーグ最下位だが、本塁打数24は、広島と並んで2位タイ。その内訳は、ボーアが5本、大山が4本、サンズが3本、近本、マルテ、梅野が2本、糸井、福留、糸原、木浪、原口、西がそれぞれ1本となっている。1試合平均「2」だったチーム得点も「3.75」まで上がってきた。 辛口で知られる“球界大御所”広岡氏も阪神の逆襲を評価した。 「阪神がようやく形になってきた。元々、ピッチャーはいい。しっかりと守り、打線さえ点が取れるようになってくればゲームになる。その問題だった打線につながりが出てきたことが一番の理由だろう。なぜか? 開幕からの何試合かを見て、このままいけば、最下位になると、私は警告したが、その後、私の考えを矢野に伝えたのだ」 広岡氏は2勝10敗と開幕ダッシュに失敗した矢野監督にメッセージを送ったという。 「若い指導者が悩んでいる。球界の先輩としてアドバイスを送るのは当然のこと。本来は阪神の球団内の誰かがやらなければいけないことだろうが、これは阪神に限らず、多くのチームが、監督にそういう指導をできる人間がフロントにいないのだから」