整理収納アドバイザーの自宅から学ぶ「暮らしに“防災”を溶け込ませるコツ」[FRaU]
ひとくちに「防災」といっても、教科書通りのやり方があらゆる人にフィットするとは限りません。万が一のとき、本当に安心して避難生活を過ごすためには、ライフスタイルに合わせて“自分の備え”を作ることが大切。トライ&エラーを経て防災スタイルを作った、整理収納アドバイザーのMisaさんに話を聞きました。
Misaさん 整理収納アドバイザー。SNSや講演、メディア出演などを通して防災アイデアを発信。著書に『おしゃれ防災アイデア帖』(山と溪谷社)。
最初から完璧を目指さなくていい。 暮らしにフィットする家づくり
大阪府内で夫と2人の息子、犬と暮らすMisaさん。2018年、最大震度6弱を観測した大阪府北部地震をきっかけに防災に取り組み始めた。 「それまでは『まあ、大丈夫だろう』って、楽観的に捉えていました。地震発生時、小学生の息子は通学途中。災害時に学校がどんな対応をしてくれるのかも全然知らなくて、大パニックでした。自分がいかに無知で、それがどれほど恐ろしいことか、身にしみて感じました」 それ以来、防災についてゼロから勉強した。 「でも、学んだことがいざ自分の暮らしにフィットするかというと、そうではなくて。防災のためにガラッと暮らしを変えるのも、何か違う……。日常と、もしものときの備えを両立できる方法はないかと考えた時、日常に溶け込むような防災スタイルを自分で作ろうと思ったんです」
整理収納アドバイザーの資格を持つMisaさん。極力収納を減らし、ストックを持たない暮らしをしていたが、「備える暮らし」にシフト。その上で、いかにすっきりした家と暮らしを作るか、収納方法やアイテム選びに知恵を絞った。 「インテリアが好きなので、そこは諦めたくなくて。背が低い家具を置いたり、小物類は割れにくい素材を選んだり。暮らしを楽しみながら、もしもの時も安全な部屋作りを心がけています」 家族4人が安心して在宅避難できる備えが整った家は、驚くほどシンプルで清々しい。 「最新の防災グッズはコンパクトなものも多いですし、日常的に使うものはローリングストックすれば効率よく収納を使えますから、そこまでスペースは必要ありません。最初から完璧を目指さずに、少しずつ。続けられそうなことから始めるのが、日常に防災を取り入れるコツです」