変化してきたライバル達の大谷翔平攻略法を探る!
7月27日、後半戦に入って初めて本塁打を放った大谷翔平(エンゼルス)。30日にはおよそ1ヶ月ぶりに3安打を放ったが、後半は7月12日から29日までの17試合でみると、打率.218、1本塁打、長打率.327、OPS.671で、6月に入ってからの勢いが影を潜めている。 本人も自覚していて、7月21日の試合後には、「オールスターブレークに入る前のアストロズ戦もそこまで良かったという感覚はない。ホームランになってはくれてましたけど、ずっと、凄くいいなというのはなかった」と明かした。 「なかなか、打球が上がらない」とも首をひねったが、こんな実感も口にしている。 「配球も変わってきている」 その大谷に対する相手の攻め方がどう変わったかだが、一部を切り取るだけでも、それが分かる。 例えば、初球の入り方。期間を5月7日~7月4日(期間A)とアストロズとのシリーズが始まった7月5日から7月29日(期間B)までの2つに分け、さらに右投手と左投手が、初球にどんな球種を、どこに投げているかを比較してみた。 まず、右投手による初球の配球。期間A(表1)では、4シームが35.5%、カーブが14.9%、チェンジアップが13.5%、2シームが12.1%で、この4球種で全体の76%を占めていること、中でも4シームの割合が多いことが分かる。 期間B(表2)では4シームの割合は相変わらず高く32.3%、続いてスライダーの19.4%、2シーム12.9%、カーブ11.3%、チェンジアップ8.1%となっている。期間Aと比較すると、チェンジアップの割合が減り、カーブとスライダーの比率が入れ替わっている。 (表の球種略称:FF/4シーム FT/2シーム FC/カッター SI/シンカー SL/スライダー CU/カーブ KC/ナックルカーブ CH/チェンジアップ FS/スプリット)
コースはどうかといえば、期間A(表3)を見ると、相手はまず、外角で様子をうかがっているよう。対して期間B(表4)では、一転して内角低めが増えている。その変化からは、外角のベルト付近の高さにパワーゾーンがあるので、そこは避けたいという意図も透ける。