変化してきたライバル達の大谷翔平攻略法を探る!
では、左投手はどうなのか。同様にデータを調べると・・・。 期間A(表5)では、4シームが全体の30.2%。以下、カーブの23.8%、スライダーの19.0%、カッターの11.1%と続き、4球種で全体の84.1%を占めていた。 期間B(表6)は、サンプルが少ないものの、割合に変化が見られた。4シームとスライダーが同じ27.8%。カッター22.2%、カーブ16.7%となっている。右投手同様、ここでもカーブの割合が減り、スライダーが増えている。
コースにも変化があり、期間A(表7)では真ん中高めの割合が多いが、期間B(表8)では低めが増え、しかも外角低めに徹底されていた。
もちろん、初球の攻め方が変わったからといって、それが必ずしも全体像を示すわけではないので、今度は投手有利のカウントではどう相手の配球が変わったのかを調べてみた。やはり期間AとBに分け、さらに右投手と左投手、それぞれを比較したのが、以下の結果である。 まずは、期間Aの右投手の場合(表9)。4シームが一番多く38.4%。カーブ18.2%、チェンジアップ11.9%、スライダー11.9%と続く。一方、期間Bはどうか。表10を見ると、顕著な変化が見られた。チェンジアップとスライダーがともに27.9%で、4シームが18.0%。続いてカーブ14.8%。 つまり、期間Aでは、投手有利のカウントで右投手が4シームを投げる確率は40%近かったが、期間Bではチェンジアップとスライダーを合わせた比率が50%を超える。4シームは18.0%に下がった。つまり、投手有利のカウントでは、配球の軸が4シームからスライダーとチェンジアップに変わっている。
コースにも大きな変化が見られる。期間A(表11)では、ストライクゾーンに投げることがほとんどだが、期間B(表12)では一転、外角低めの枠外に集中している。ストライクゾーンに投げてくることは稀だ。