変化してきたライバル達の大谷翔平攻略法を探る!
こうしたことは結果にも反映されているのか、期間Aでは投手有利のカウントでの打率が41打数10安打(.244)だったが、期間Bでは15打数1安打(.067)となっている。 同じ比較を対左投手でも試みてみる。 期間A(表13)を見ると、スライダーが37.6%で一番多く、続いて4シームの25.8%。3番目がカーブの14.0%となっている。期間B(表14)では、まだサンプルが少ないものの、30.0%でカーブが一番多い。4シームが25.0%、カッターが10.0%で続き、期間Aで一番多かったスライダーは5.0%で一番少なくなっている。
コースにも変化が。期間A(表15)では、外角低めに集中している。これは比較的傾向として理解しやすい。スライダーの比率があれだけ多かったのである。一方、期間Bでは表16のようになった。
ここまでばらつくのはサンプルが少ないこともあるが、当然、スライダーの比率が少なくなったことで、こういう結果にもなっている。カーブが増えたが、大谷にまだヒットを許していないウェイド・ルブラン(マリナーズ)などは、高めに投げることが多く、そのことも反映されている。 こうしてみてくると、初球と投手有利なカウントのケースだけを比較しても、大谷が言うように配球が変わっている。一番顕著だったのは、追い込んでからの球種。右投手の場合、4シームをゾーンに投げることが多かったが、7月5日以降はスライダー、チェンジアップといった変化球を枠の外側に投げるパターンが目立つ。 今後は、大谷がそうした変化にどう適応するか、ということになるが、あくまで当面の話。大谷がアジャストすれば、相手はまた別の攻め方を考えるだけ。終わりのない駆け引きは、そうして続いていく。 (文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)