「3位は吉田茂、2位は佐藤栄作で…1位は?」2025年は昭和100年!「総理在職日数ベスト10」で振り返る
総裁選でライバルだった梶山静六と小渕恵三を、田中真紀子はそれぞれ「(元)軍人」「凡人」と呼び、小泉を「変人」と名指ししたことも話題となった。 ▶3位 吉田茂〔2616日〕 ベスト10の3位に入った吉田茂は、神田駿河台生まれの生粋の江戸っ子。戦前は日・独・伊三国同盟に反対し、日米開戦阻止に動いた親英米派の外交官で、陸軍主導体制に逆らい、憲兵隊に逮捕された経験もある。 在職2616日のうち半分超の1353日は、第3次吉田内閣(昭和24[1949]年2月~昭和27[1952]年10月)の期間にあたり、アメリカの占領政策の総仕上げとして、冷戦下の反共政策と連動、緊急財政再建による戦後復興に尽力した。
▶2位 佐藤栄作〔2798日〕 在職2位の佐藤栄作は、7位の岸信介の実の弟。姓が違うのは、兄の岸信介が岸家の婿養子に入ったからだ。 ■ノーベル平和賞の裏で交わされていた「密約」 佐藤は昭和47(1972)年、念願のアメリカからの沖縄施政権返還を果たし、その功績でノーベル平和賞を受賞したが、後に、核抜き、本土並みの公約を裏切る核持ち込みの密約があったと報道され、男を下げた。 長期政権の秘密の一つに、人事の佐藤と言われる派閥操縦があった。福田赳夫ら有力後継者を巧みに閣内に取り込み、反主流派を骨抜きにしたのだ。
足かけ9年に及ぶ政権の後、ポスト佐藤の座を手にしたのは田中角栄だった。しかし、その田中の全盛期は、実は佐藤政権の幹事長として、金に物を言わせて党を思うまま牛耳っていた時代だった。 田中の「日本列島改造論」は狂乱物価を招いただけだったが、佐藤やライバルの福田赳夫が消極的だった日中国交回復を実現した田中の実績は消えない。 ▶1位 安倍晋三〔3188日〕 総理在職日数1位は、初代の伊藤博文以降の全総理を見てもただ一人在職3000日を超えた、安倍晋三である。