イチロー氏「僕はその3名が上がりますね」高校球児から“イチローさんにとって…”今までになかった質問に感銘
■頭脳でやられているな…そういう野球を目指してほしい 考える野球が持ち味のはずの岐阜高校は、パワーの差をどうやって補うべきなのか。その土台となるのはやはり、「基本」の根っこを理解する事。長い伝統を鵜呑みし「考える」事をやめていた。 イチロー: 自分の普段やっているリードやってみて。そうか、途中のこれ(足をクロスする)が僕はいらないと思うね。もうこのままでいてほしい。せっかくこれで隙のない状態を作っているのに、これが入る事でやられるので。 部員: チームとしてもこのリードで行こうっていうのを入部当初から言われていて… イチロー: こうやってここでこれいれる理由は何?理由が知りたい。 部員: 早く幅を稼ぐっていうふうに教わっていて。こうならここでまた戻れるよねっていう風に教わった。 イチロー: でもこの瞬間に来られたらどうする? 部員:つまります。 イチロー: そうだよ、それ、隙になっちゃう。 部員が隙のないリードにトライすると。 イチロー: 相手はその方が絶対嫌だけどね、だって隙がないんだよ。ああ、嫌なリードを取るなって思う。嫌なチームだなって思う。 高校球児と対話を通して、伝えたかった事。 イチロー: まずは岐阜高校は、落ち着いて冷静にいろんなことを判断して、相手からしたら頭脳でやられているな、落ち着いてこいつらプレーしているよな、嫌だな、そういう野球を目指してほしい。 ■「僕はその3名が上がりますね」イチローさん感銘の質問に 「考える」事が強みとわかった時、目の前の景色は変わる。 岐阜高校の部員はある質問でその可能性をイチローさんに感じさせた。 部員: あの人だったらどういう風に思うだろうかとか、どういう声を掛けてくれるだろうかっていう、イチローさんにとってのそのような人はどういう人なのかなって イチロー: 僕にとってはね、迷った時とか、困った時とか、悩んだ時とか、そういう時に思い出すのは当時(オリックス)の監督ね、仰木監督。面白い人だったからね、本当尊敬してる。王監督の事も。第1回のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で監督と選手の立場で時間を過ごしたんだけど、やっぱり大きな存在だった。妻の存在もそうですね。近くにいる事もあって、そう問われれば、僕はその3名が上がりますね。 高校野球指導を始めて5年。今までになかった質問だった。こうした新たな発見があるから高校生に惹かれるのかもしれない。感銘を受けたイチローさんは噛みしめて部員らに語った。
イチロー: こういう空気感、うわー。初めてかもしれないね。僕にとってもすごく刺激になりました。高校生を見る目は、みんなに会って少し変わるかも。それぐらいインパクトがありました。じゃあいい報告を待っています。野球もその後もね。とにかく期待しています。頑張ってください。 ▼イチロー氏関連の記事一覧はこちら
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