フリーランスモデルに聞くコロナ禍の生き方「自分の軸を大事に」
東京・大阪など19都道府県について緊急事態宣言が今月30日まで延長となった。コロナ禍でさまざまな職業が長期にわたり影響を受けるなか、エンターテインメントやアートの世界も企業から個人までそれぞれがそれぞれの立場で生き残りを図る。今回は近年SNSを中心に見かける機会が増えたフリーランスモデルに着目した。非対面のネットと対面しての撮影という両方の側面から成り立ち、ネット上で写真を発信するなどカメラマンとモデル双方がPRし合い作品づくりのパートナーを募集する。それがSNSのみならずリアルのイベントである展示や写真集などの流れにつながることも少なくない。本業である幼児教育講師の傍らSNSを活用しモデル活動をする元グラビアアイドルの山上ひかりさんにコロナ禍をどう生きているか聞いた。 (写真は撮影時のみマスクを外して撮影しています)
コロナ対策について感覚ずれている人は依頼断る
山上さんは現在30代だが10代の頃原宿でスカウトされニッポン放送のラジオMCから芸能界入り。その後グラドルとして雑誌や写真集、バラエティ番組、ドラマ、映画などで活躍した。引退後はライターへ転身し経済誌、週刊誌、コラム、漫画原作などを手がけ5年前から幼児対象の知能教育講師を本業とする。現在はその傍らフリーランスのポートレートモデルとして活動を続け、写真家・藤里一郎氏のイベントでMCを担当することもある。 「3年前、アパレルでカメラマンをしていた友人にモデルを頼まれてインスタに写真を載せたら広告代理店の方をはじめプロ・アマ問わずいろいろな方からモデルのお声がけをいただくようになったんです」 いまでは月に何本も撮影の予約が入る“売れっ子”だが、ワクチン接種やPCR検査といった自身の対策はもちろんのことコロナ禍ならではの工夫が必要という。 「密にならないようにスタジオなどの室内よりも屋外での撮影を増やしています。カメラマンさんにマスクを着用してもらうことやアルコール消毒は当然です。消毒液やウエットティシューなどのアイテムも持参します。本来ならもっと地方遠征に行きたいのですが、極力他県への移動は控えて都内基本にしています。そして相手のカメラマンさんがコロナに対してあまりに感覚がずれている方だとお断りしています」 感覚がずれているとは、具体的にはどういった部分なのだろうか。 「緊急事態宣言下にも関わらず長時間の拘束や他県の移動を強く要望してこられたり、地ベタに座れとか、撮影料さえ払えばモデルだったらなんでもすると思っている方もいらっしゃるんです。コロナ禍なのにあちこちさわらせたり座らせたりは、あまり良くないと思うんです。たとえば不衛生と思われる場所は避けたいですよね。でもあえてそういうところに入れって言う人もいます。そういう方はお断りするしかありません」