日本で唯一、本物の下水道管の中に入れる「小平市ふれあい下水道館」- 下水道の暗闇の中に見たものとは
■ユニークな展示で下水道についてを学びながら、ひたすら地下へ、地下へ そんなこんなで、下水道に対して否が応にも仄暗いイメージを持ちながら、なんともいえないアドベンチャースピリットも感じている僕は、車でよく通る府中街道沿いにある「小平市ふれあい下水道館」という施設が気になって仕方がなかった。 ちょいトラウマである「下水道」という単語にかかる、ほんわか感の強い「ふれあい」というキーワードが、逆に禍々しさを増幅しているような気さえした。 すでに訪ねたことがある友人からの強いすすめもあり調べてみると、ここは日本で唯一、誰でも自由に“本物の下水道管”の中に入って体験・見学ができる施設らしい。 行ってみるしかない。 住宅街に静かに佇む「小平市ふれあい下水道館」は地上2階建ての、公共施設としては比較的こぢんまりした建物。そう見えるが実は、B5階まである地下中心の施設なのである。下水道の仕組みや役割を紹介する公共施設として、市内の下水道普及率が100%を達成したことを記念し、1990年(平成2年)につくられたのだそうだ。 見学者を迎える1階のエントランスホールには水槽が設置され、多摩川の渓流に生息する魚を展示していた。見学者はここから、地下へ地下へと進んでいくことになる。
階段の脇には自分が今いる場所の、地上からの深さが表示されている。その横の柱には土が詰まっており、何かと思えば、実際の地層を切り取って見えるように展示しているのだ。なかなか面白いではないか。
-3m、-4m、-5m……下へ下へと進んでいく。 地下2階の展示室には、江戸時代から現在までの暮らしと下水処理の仕組みや変遷について、実物やパネルで紹介されていた。 「小平市の下水のゆくえ」を示すコーナーの起点として、新聞を読みながら洋式トイレに座る男性や、お風呂で遊ぶ子どもの人形などを使ったオブジェが飾られていて、ちょっとギョッとした。