学歴の高い息子がやる仕事ではない…発達障害のわが子を「溺愛する母」に息子が放った「衝撃の一言」
パート仲間の「子ども自慢」が鬱陶しかった
「パート仲間の『娘がサークルで旅行に行くんだって!』『髪の毛を茶色に染めてさ~』などの充実アピールが鬱陶しかったです。いくら有名な大学とはいえ、高い学費を払って学業に専念してないってどうなのかなって思っていました。 『息子さんはサークル入ったの?』『アルバイトは?』『下宿先で友達はできた?』と聞かれ、息子に尋ねると、サークル無加入、バイトは多忙で無理、友達はいないけど支障はないというんです。 休日はオンラインゲームで遊んでいました。ありのままのことを言ったら見下されそうだったので、架空の”充実した息子”を作り上げて話していました」 マスミさんの作り上げた”うちの息子”は、友達に恵まれてキャンパスライフが充実しているというありきたりのものだった。最初のうちは嘘を塗り固めて頑張ったが、話を深堀されると噓がばれることが怖くなり子供の話は控えるようになり、そのうち誰も子どもの話はしなくなっていった。 理系分野では変わらず成績優秀な息子だったが、その後の就職活動ではかなり苦戦を強いられた。学歴フィルターもSPI試験も問題なくクリアできるものの、一時面接はすべて不合格。 採用見送りの連絡が10社を超えたあたりからやる気をなくした息子に、マスミさんは大学院へ進学も考えてみてはどうかと促したそうだ。 「息子は『就職できないし、大学院にでも行くか』という感じでした。私としては大学院へいけば専門的な知識も身につきますし、就職に有利だと思ったのですが現実は甘くなかったです……」 再びの就職活動では、研究職を中心に行ったものの不採用。全滅し自信をなくしてしまった息子は、どこにも就職できないまま実家へ戻ってニートになった。 「夫からは『お前が甘やかしたからこんな風になった!』と怒られました。でも私がいなければ息子は何もできまい子です。勉強の才能があると気付いたのも私、いい大学へ進学できたのも私のサポートがあったことを覚えてくれていない。私ばかり責められるのは絶対におかしい」 マスミさんの話を聞いていると、息子の意思を尊重するようなエピソードはどこにもない。進学先、下宿先の世話、就職……。どの事柄もマスミさんの考えに従うように息子が動かされている印象だ。 息子がニートだという現実を隠したいマスミさんは、パート仲間にはエンジニアとして働いていると嘘をついた。大学院へ進学しているし違和感がないと思っていたのだが、そんな嘘がバレそうになってしまう。 「接客業なんて向いていないのに近所のコンビニでアルバイトを始めたんです。高校生に混じって当時20半ばの息子が一緒に働いているなんて、まったく受け入れられません。パート仲間に見つかったら後ろ指を刺されるに決まっています。だから早く安定した職業についてほしいと言って、息子に就活を急かしたんです」 当初は就職支援サイトを使い、専門性の高い職業への就職を希望していたものの、案の定どこも不採用。エージェントからは「スムーズに受け答えができず熱意が伝えられていない」と言われてしまったそうだ。