祖父が遺した服に腕を通してみると、88歳の祖母が誰よりも喜んでくれた。「取っておいてよかった」と何度も言ってくれて
総務省が公表した「住民基本台帳人口移動報告」によると、2023年の東京都の転入超過数は6万8285人だったそう。このような状況のなか、愛知県額田郡幸田町出身の映像作家・高須亮佑さん(「高」は正しくは「はしごだか」)は、100年続く家業の瓦屋「高須製瓦」の屋号を引き継ぎ、自身のYouTubeチャンネル「TAKASU TILE」で田舎暮らしを発信しています。そこで今回は、高須さん初の著書『TAKASU TILE 自分をHAPPYにする暮らし方: 家づくり、畑仕事、日々の料理、おばあちゃんとの時間』から、一部を抜粋してお届けします。 【写真】祖母・美江子さん特製、小さな手紙つきのお弁当 * * * * * * * ◆悟さんの人柄 2018年、祖父の悟(さとる)さんが亡くなった。85歳だった。 昔気質の瓦職人で、頑固なところはあったけれど、働き者で人望が厚く、威厳があった。 未だに祖母の美江子さんが「夕ごはん食べたら、いっつもすぐにどっか行ってしまうでな」とこぼすほど、交友関係が広く、ゴルフに盆栽と多趣味な人だった。幸田文化協会の会長も務めていた。 悟さんが初めて美江子さんの家に来たときは、スーツではなくブーツを履いたカジュアルな服装で、バイクに乗って登場したのだとか。 美江子さんいわく、「そこにグッときちゃった」そうだ。
◆おじいちゃんが遺してくれた服 最近は悟さんの服を着る機会が増えている。 あるとき、美江子さんが「これ着んか?」と祖父が遺した服を見せてくれた。 ジャケットにネクタイ、シャツにジャンパー、ポロシャツにニットにベストなど、祖父が亡くなる直前まで着ていたものだ。 見た瞬間、「かわいい!」とテンションが上がった。 カラフルな色味が僕好みで、どれも保存状態がよく、タグが付いたままの服も少なくなかった。 昔の服だからか、仕立てがよくて、肌触りもいい。肌が弱い僕にとって、綿100パーセントのものが多いのも嬉しいポイントだった。
【関連記事】
- 30歳田舎暮らしYouTuber、88歳祖母にYouTubeに出演してもらい気づいたこと。小学生の頃、帰宅すると食卓にはおむすびがあった。
- アクティブな88歳祖母と30歳孫の田舎暮らし。野菜が育つと「かわいいねえ」と言いながら一緒に収穫
- 田舎暮らしYouTuber、50年前に祖父母が建てた母屋を1LDKに改築。1年かけて完成した新居で、最もお気に入りの場所は…
- 伊藤千桃74歳「40代で2人の子どもを抱えて離婚、葉山の自宅でカフェ運営。お金はなくても、自然に囲まれ、知恵を使って暮らすことが私の楽しみ」
- 年金7万円、家賃4万円、崖っぷち66歳。リアルなおひとり様年金暮らしを動画で配信。コロナ解雇、病気…最悪な状況での唯一の楽しみはYouTubeだった