祖父が遺した服に腕を通してみると、88歳の祖母が誰よりも喜んでくれた。「取っておいてよかった」と何度も言ってくれて
◆美江子さんの反応 先日、友人の結婚式へ出席するため、祖父のネクタイを締めたところ、「あら、いいじゃない。どこで買ったの?」と母が聞いてきた。 「おじいちゃんのだよ」と言うと驚いていた。 祖父の服を着た僕を見て誰より盛り上がるのは、美江子さんだ。 すぐに「それ悟さんのだねえ」と気づく。 僕の姿をじっと見て、「取っておいてよかったなあ」と何度も言う。 美江子さんの方こそ、きれいに手入れして大切にしまっておいてくれてありがとう。
◆美江子さんからの小さな手紙 遠くに出掛けるとき、美江子さんは必ず玄関まで見送りに来てくれて、小さな手紙を渡してくれる。 そこには「素晴らしい機会に感謝して、由貴奈さん(妻)と元気に過ごしてきてくださいね」とか「遠くの方でワイワイと笑顔が聞こえてきそうです」など、ちょっとした言葉が書かれている。 旅のお守りとして鞄にしまい、道中大切に持ち歩く。 新幹線に乗ると知ると、朝早く起きてお弁当を作ってくれることもある。 箱のふたをあけると、おむすびの隣に色づいた落ち葉や赤い実が添えてある。 相手を思う気持ちをこうやって言葉や形にできる美江子さんって素敵だなあと思う。 ※本稿は、『TAKASU TILE 自分をHAPPYにする暮らし方: 家づくり、畑仕事、日々の料理、おばあちゃんとの時間』(誠文堂新光社)の一部を再編集したものです。
高須亮佑
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