日本最大級のこども園 共働き世帯が多い地域で「幼稚園枠の希望者約3倍」渋渋・渋幕の学校法人が手がけた園の人気の理由
今、園内で田んぼづくりを始めたのですが、種もみを浸水させて芽が出てきた様子を見て、子どもたちが感動しているんです。そういう少しずつの変化にも気がついて、楽しんでいける時間的なゆとりがある生活をしてほしいと思います。忙しい時代ではありますが、子どもの成長には大人が待ってあげることが大事です。 ── 私自身もそうですが、子どもの朝の支度から夜寝るまでを振り返っても、時間の余裕に関しては耳が痛いご家庭も多いと思います。
石井正子施設長:働いている方が多いので、社会で成功しているがために、子育てにおいても何か問題があれば「原因を探り、解決のために行動を起こす」というサイクルにすぐ持っていこうとしているように感じます。特にお父様にその傾向が多いのですが、子育ては理屈通りにいきません。忙しい毎日の中で、できる限り早く子育ての悩みを解決したい気持ちはわかるのですが、子育ては「これを解決すれば、すぐにその問題がなくなる」ということはあまりありません。
結果が思いがけない時にあらわれてくることもあります。例えばみんなと一緒に活動するのが苦手なお子さんも、ある日突然、行動を起こすことがあります。実は、何もしていないわけではなく、しっかり周りの様子を見て蓄えているんです。 タネを撒いて、なかなか芽が出なくても地面の下でしっかり発芽の準備をしているのと同じです。そこを何も変化がないからと急いで、挙げ句の果てに土を掘り出してしまっては、芽は育ちません。ノウハウを一生懸命調べて実践するよりも、目の前のお子さんとじっくり向き合ってほしいですね。
コロナ禍の影響もあって、在宅勤務が可能になった方も多く、ご両親で共に育てているご家庭が多いのはとてもいい時代だと感じています。朝も帰りもお父さんが園へのお送り、お迎えをする方も多いですし、夫婦で分担されている方もいます。ただ、ご家庭にもいろいろな形態がありますので、連絡事項をどなたに伝えるかなど、個別的な配慮が必要な時代になっているとも感じます。