ドラゴンボール作者・鳥山明さん急逝、死因の「急性硬膜下血腫」の原因・症状を医師が解説
「ドラゴンボール」「Dr.スランプ」など、日本を代表する作品の作者である、鳥山明さん(68)が「急性硬膜下血腫」により急逝しました。3月8日、少年ジャンプ(集英社)の公式サイトで発表されました。 【画像】鳥山 明「ドラゴンクエスト イラストレーションズ」 突然発症する急性硬膜下血腫は、緊急性が非常に高いのが特徴です。そのため、発症後は早期の迅速な対応が重要です。「ある日、急に自分や家族が脳の病気で倒れたらどうしよう」「急性硬膜下血腫にはどのような検査や治療があるのだろう」など、不安や悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。 この記事では、急性硬膜下血腫の症状や治療に関する様々な疑問に答えています。また記事後半では、急性硬膜下血腫の発症に伴う後遺症や予後についても触れています。詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。 ※この記事はMedical DOCにて【「急性硬膜下血腫」を発症する原因・症状はご存知ですか?医師が監修!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
急性硬膜下血腫の原因や症状
編集部: 急性硬膜下血腫とはどのような病気ですか? 甲斐沼先生: 急性硬膜下血腫とは、頭部外傷により脳を覆っている硬膜と脳の間に出血が起こり、血腫が生じることを指します。受傷直後から意識障害を伴うことも多いのが特徴です。血腫量が多く、脳への圧迫が強い場合には血腫除去術や開頭減圧術などの治療を行います。 編集部: 発症する原因を教えてください。 甲斐沼先生: 急性硬膜下血腫の主な原因は、頭部外傷によるものです。例えば、交通事故や転倒した際の頭部に強い衝撃を与えるなどの頭部外傷が挙げられます。また、高齢者の場合は外傷だけでなく、血管壁が硬いことや高血圧も血管破裂の原因となります。 編集部: どのような症状がありますか? 甲斐沼先生: 急性硬膜下血腫の症状には以下の6つがあります。 ・頭痛 ・呼吸困難 ・意識障害 ・呼吸停止 ・舌や手足の麻痺 ・瞳孔散大 それぞれについて以下で詳しくみていきましょう。 1つ目の代表的な症状に頭痛が挙げられます。最も一般的な初期症状が急激な頭痛で、強い痛みや圧迫感を覚えたりします。 2つ目は呼吸困難です。血腫発生の影響により中枢神経系のバランスが崩れ、呼吸中枢に影響を与えます。その結果、呼吸困難を引き起こします。 3つ目は意識障害です。呼吸障害と同様に中枢神経のバランスが崩れることにより、意識障害が起きます。意識障害は急性硬膜下血腫の症状の中で最も深刻な症状です。 4つ目は呼吸停止です。重度の頭蓋内圧亢進により、最終的に呼吸が停止します。 5つ目は舌や手足の麻痺です。発生した血腫が脳神経や脊髄神経を圧迫し、障害を与えることで、舌や手足に麻痺を生じることがあります。 6つ目は瞳孔の散大です。症状のひとつとして、瞳孔の散大を生じることがあります。この場合、重度の脳圧の上昇を示しています。