大正時代の『婦人公論』に見る100年経っても変わらない健康法。適度な睡眠と運動、嫉妬や過労を避ける…。現代中高年女性の健康法アンケート結果は?
◆大正時代の『婦人公論』に見る健康法 美と若さが欲しいなら『婦人公論』には、創刊間もない頃から「健康」に関連した記事が掲載されています。 ただ、大正から昭和初期あたりは、特集のタイトルに「健康」が冠されたものはあまり見られず、「美」や「若さ」および「老け」を前面に出したものがメイン。 1926(大正15)年の女性の平均寿命は46.54歳、時代はモダンガール・モダンボーイ全盛期となれば、外見第一は当然なのかもしれません。 とはいえ、その中身は医師などによる専門的な解説や寄稿が中心で、医学寄りの長文が並びます。 女性の身体的・生理的機能や衛生状態などからみた老化の進み方に加え、社会や家庭における女性の立場をも考察。 彼女たちが健康的な習慣に加え、自由と教養を手に入れてこそ美と若さが宿る、と説くあたりは、この時代の『婦人公論』の《啓蒙》的スタンスが感じられます。
土台は変わらないでは、医師たちが推奨する健康習慣とはどのようなものだったのでしょうか。1926年7月号掲載の「若さと美しさを保つ法(医学上から観たる)」よりいくつか紹介します。 「第一、生活を規律ならしむること。第二、戸外の運動。第三、食物の注意。(過食、間食を慎み、よく咀嚼すること) 第四、睡眠を十分にとること。」(医学博士・額田豊) 「一、朝と就褥前とに歯刷子(はぶらし)を用うること。うがいだけでは不充分。(略) 二、同時に歯齦マッサアジをすること。尖端部の血管は終末動脈と云って血の循環に不便である為、(中略)歯肉の光沢と緊張と色調とを保つにはマッサアジが唯一の方法である」(医学士・宮原虎) 「私はその専門とする神経精神科の方面から観たところに基いて簡単にお答え申上げます。 1.お勧めしたい精神の持ち方 勇気、進取、希望、歓喜、快活、公明、精神転換、性慾制御(敢て禁慾とは申しません)、適当の運動と睡眠、若き人に接近すること等。 2.お避けを願いたい精神状態 逡巡、悲哀、失望、憂鬱、苦悩、杞憂、羨望、嫉妬、焦慮、自棄、過労、荒淫等」(ドクトル・江村悌造) この記事から、およそ100年。若さ、美しさ、そして健康を保つ方法に関しては、昔も今もほぼ変わらないと言えそうです。 次回は「体のためにこれからやってみたいこと」を発表。どうぞお楽しみに!
「婦人公論」編集部
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