FC東京が”反則肘打ち”レアンドロに科した出場停止&罰金の独自追加処分は甘いのか、厳しいのか?
標的になった選手が故意だと声を上げた、一歩間違えれば大事故になった顔面への肘打ち行為に対する計5試合の出場停止処分は厳罰なのか、それとも甘いのか。 JリーグとJ1のFC東京は24日、ブラジル出身のMFレアンドロ(28)にそれぞれリーグ戦3試合の出場停止と罰金30万円、YBCルヴァンカップ2試合の出場停止と制裁金100万円の処分を科した。Jリーグの決定にFC東京が独自の処分を追加した。 レアンドロは22日の名古屋グランパス戦でDF中谷進之介(25)と競り合った際に、右肘が顔面に当たった反則が危険かつ悪質と見なされて一発退場。試合後に「選手はわかっている」と故意のプレーだと指摘した中谷は、昨シーズンも同様の反則行為で2度も処分を受けているレアンドロに対して、選手を守る観点から厳しい処分を求めていた。
ネット上では厳しい批判
名古屋戦の直後からネット上で吹き荒れたレアンドロへの批判は、反則行為に対する処分の正式決定をへて、落ち着くどころかさらに激しさを増している。 Jリーグの規律委員会から3試合、FC東京からは2試合と、トータルで5試合が科されたレアンドロへの出場停止処分を「甘すぎる」と一刀両断するだけではない。なかには「契約解除」や「永久追放」などを求める声も相次いでいる。 問題のシーンは、22日にホームの味の素スタジアムで行われた明治安田生命J1リーグ第32節の、ともに1ゴールずつを奪って迎えた後半34分に発生した。 自陣から縦パスを出すモーションに入っていた中谷と、遅れてプレッシャーをかけてきたレアンドロが激しく交錯。ボールを蹴る刹那の無防備な状態で、左こめかみ付近にレアンドロの右肘が入った中谷は激痛のあまりにその場に倒れ込んだ。 福島孝一郎主審は当初、レアンドロの反則を告げただけだった。直後にVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入を受けて、ピッチ脇のモニター越しにOFR(オン・フィールド・レビュー)を実施。勢いあまって肘打ちに至ったのではなく、意図的に相手の顔面へ右手を上げた、危険かつ悪質な行為だとして一発退場を宣告した。 出血した患部に絆創膏を貼り、試合後のオンライン取材に対応した中谷は「選手はわかっている」とレアンドロの反則が故意だと指摘。昨シーズンも同じ肘打ち行為で厳重注意と3試合出場停止の処分をそれぞれ受けている点にも言及し、一発退場を受けてJリーグから下される処分に対して、毅然とした口調で厳罰を求めている。 「やられた僕からすると、選手を守ってほしいという思いがある。1回目ならば仕方ないというのもあるけど、去年も3試合出場停止を食らっている。それで今年ですから、1試合の出場停止では足りないかな、と。しっかりやってほしいと思います」 被害を受けた当事者の中谷が、あえて「1試合の出場停止では――」と言及した点に、処分が決められる上で実は大きなポイントが込められている。