第164回芥川賞受賞会見(全文)宇佐見りんさん「ただひたすら目指すものを書いていく」
第164回芥川賞・直木賞が20日発表され、芥川賞には宇佐見(うさみ)りんさん(21)の「推し、燃ゆ」、直木賞には西條奈加(さいじょう・なか)さん(56)の「心(うら)淋し川」がそれぞれ選ばれた。同日夜、2氏の記者会見が都内のホテルで開かれた。 【動画】第164回「芥川賞、直木賞」宇佐見りんさん、西條奈加さんが受賞会見(2021年1月20日) ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「第164回「芥川賞、直木賞」宇佐見りんさん、西條奈加さんが受賞会見(2021年1月20日)」に対応しております。 ◇ ◇
まだ胸いっぱいですね
司会:ではお席のほう、はい、お願いいたします。宇佐見さん、よろしくお願いいたします。それではこれより記者会見を始めさせていただきます。それでは、まずは宇佐見りんさん、まず、今のお気持ちからお願いいたします。 宇佐見:ありがとうございます。宇佐見りんです。今の気持ち、まだ受賞のお知らせをいただいてからそんなに時間がたっていなくて、まだ胸いっぱいですね。まだ頭が追い付いていないかなという感じです。とてもうれしいです。 司会:ありがとうございます。それではご質問のほうに、質疑応答のほうに移らせていただきます。ご質問のある方は挙手をお願いいたします。ご指名されましたら前方のマイクスタンドまでお越しいただいて、ご所属をおっしゃっていただいてからご質問ください。よろしくお願いいたします。それでは挙手のほう。どなたか。あちらの、はい。
今後どう小説と向き合っていきたいか
共同通信:共同通信社の【スズキ】といいます。このたびはご受賞おめでとうございます。 宇佐見:ありがとうございます。 共同通信:今回の受賞作の中では、主人公のあかりが、推しを推すということについて、背骨と表現されていたと思うんですけれども、ご自身の背骨について小説を書くことだということを以前おっしゃられていたと思うんですけど、今回、これまで憧れだったという芥川賞を受賞して、今後どのように小説と向き合っていきたいと思うのか、心意気も含めてちょっとお聞かせください。 宇佐見:ありがとうございます。今回、賞をいただきました『推し、燃ゆ』という作品で、主人公が背骨っていうふうに、推しを推すことを言っているんですけど、私にとって小説が背骨であるっていうことは決して大げさなことではなくて、これがあるからやっていけるんだという感覚っていうのは、前からずっとあったので、これからもそれは変わらないんじゃないかなというふうに思います。背骨、そうですね、全力で書いていきたいなというふうに思っています。 共同通信:ありがとうございます。もう1点お伺いしたいんですけれども、今、大学2年生ということで、これから学びたいこともいっぱいいろいろあると思うんですけれども、今後どんなことを吸収して、どんな作家になっていきたいのかお聞かせください。 宇佐見:ありがとうございます。どんなことを吸収して。今、国文学専攻で、大学で学んでいるんですけど、やっぱりいろいろなことに興味がありまして、宗教学であるとか、日本の古典であるとか、語りについてとかいろいろ調べたいことがあって、中でも私がすごく好きな作家に中上健次さんという作家さんがいまして、一番尊敬している作家さんなんですけど、卒論とかは、まだ決まってないんですけど、彼について調べて書いていきたいなというふうに思いますね。そんな感じ。