豪邸も変化と進化のとき!サステナブルな未来の家|365日の快適を追求した最新住宅を徹底解説
コロナ禍を経て大きく変化した私たちの社会と暮らし。豪邸のあり方も変化のときです。 これからは「自慢の豪邸」ではなく、「共感の豪邸」に暮らしたい。そんな未来が、この家に見えます。 【写真20枚】斬新なドーナツ型の家に省エネの工夫が満載!ソーラーパネルに断熱、ほかには?
なだらかな海を一望するサーキュレーション型住居
健康で穏やかな日々。美しい海を望むこの家では、そんなあたり前の日常を提供することが「サステナブルな住居」の条件だと気付かされます。 設計を手掛けたのは、30年以上のキャリアで多くの環境共生型住宅を設計してきた、建築家の彦根アンドレアさんです。 「家族で友人宅に遊びに行き、バーベキューをしたのですが、子供たちも含めて自宅のようにリラックスしてしまって。聞くと設計を手掛けたのはアンドレアさんでした」と住み手のKさん。 Kさんは、子供が生まれたことをきっかけに現在の敷地の周辺に移り住み、その後アメリカへ移住。再び日本へ戻ることになり、この高台の土地を入手しました。くしくも世界はコロナ禍、設計はリモートで行うことになりました。
求めたのはシンプルで本質的な暮らし
住まいへ求める条件は至極シンプルでした。 「自然エネルギーで自立できること。それから木をふんだんに使うことでしたね」とアンドレアさんは振り返ります。 「多くのデザイナーやクリエイターと仕事をしてきた経験上、余計なことをいわず彼らを信じることが、いちばんいい結果につながるとわかっていました。アンドレアさんには、明確なビジョンと情熱がありました。この家のドーナツの形状も、その強い意思に押されて(笑)。結果はもちろん素晴らしかった」
美しくも厳しい自然環境のなかで、人が心地よく生きるためのドーナツ形の住まい
Kさんがそう語るように、特徴的なこの建物の形状。アンドレアさんは、まず海と富士山を望むことができる西南方向に大きな開口部を計画。海側からの強い風と日差しから逃れる場所として中庭を設けました。庭を囲むようにして居室を配置する構成とすることで、建物はおのずとドーナツ形状になりました。 「風向きや日差しに合わせて、住む人が居場所を選ぶことができる。自然環境が美しくも厳しいことを認識しながら暮らすことのできる、この場所を生かした住まいです」とアンドレアさんは語ります。