中学受験「1月に小学校休むか問題」に“異変”…欠席賛成派でも「やり過ぎ」と眉をひそめる実態とは
中学受験が目前に迫る1月になると、小学6年生の半分以上が学校に来なくなる──子どもの中学受験を考えている保護者なら、こんな話を一度は耳にしたことがあるだろう。「1月に小学校を休ませるか問題」は中学受験界で長年議論されてきたテーマであり、賛成派、反対派それぞれに信念があり、正解は無いと言える。だが、最近では賛成派寄りの人であっても「ちょっとやり過ぎでは……」というケースが出始めているようだ。 【写真】中学受験組が欠席してガランとした6年生の教室はこちら * * * 「首都圏模試センター」(東京都千代田区)の公式サイトによると、2024年の首都圏私立・国立中学校の受験者総数は推定で5万2400人。前年より200人減少したとはいえ、過去2番目の受験者数を記録した。 中学受験、いわゆる「中受」の過熱が指摘されて久しい。今春に小4となる長男が1月から中受対応の塾に通っているという保護者はこう話す。 「1月には6年生の半分以上が学校を休んでいるという話は、長男が2年~3年生の時には耳にしていました」 一家が住むのは、東京都・中央区。中央区は中受に挑戦する児童が多いことで有名なエリアだ。 首都圏の中受は埼玉県や千葉県では1月から始まり、東京都、神奈川県の入試が解禁となる2月1日にピークを迎える。中央区の保護者はこう話す。 「私は地方出身で中高ともに公立だったため、中受関連で近所の保護者から教えてもらう話は驚くことばかりです。中でも『1月になるとクラスの半分は長期欠席になる』と聞いた時は腰が抜けるかと思いました。主に欠席の理由は2つあるそうで、1つはインフルエンザなど感染症の予防です。小6の兄や姉が中受する場合、学年が下の弟や妹も同じように1カ月程度、学校を休ませる親もいます。もう1つは塾の宿題がたまったり、苦手な分野の復習、志望校の過去問を解くなどの必要に迫られている場合です。小学校に通っていると時間を捻出できなくなるので、家で勉強するために休むというのです」 公立小学校の授業は中受の試験内容には対応していない。そのため「勉強のために小学校を休む」という文字通り本末転倒の事態となっているわけだ。世田谷区に住み、やはり子どもの中学受験を考えている保護者は「1月どころか、12月から2月5日くらいまで長期欠席するお子さんも珍しくありません」と苦笑しながら、こう続ける。