豪邸も変化と進化のとき!サステナブルな未来の家|365日の快適を追求した最新住宅を徹底解説
Focus:アクティブデザインのポイント3
屋根に設置した太陽光パネルを使って、住まいのエネルギーを完全に自活。アクティブな機械設備も効率的に取り入れる。 ①蓄電池も完備。雨水利用で給湯も 地階の倉庫の一角には、雨水をためるためのタンク2基、テスラ社の蓄電池を3台設置。雨水はエコキュートによって給湯し、生活用水として利用している。また蓄電池は太陽光パネルでつくられたエネルギーを昼夜問わず使用することを可能にした。 ②除湿型放射冷暖房で体にやさしい温熱環境に 地階・1階の窓際などに設置した、除湿型放射冷暖房のピーエス。冷房時には冷水を、暖房時には温水を室外機でつくり、パネル内に循環させることで空間全体を快適に保つ。機器は美しいルーバー状のデザインで、空間性を損わない。 ③輻射冷房を窓際に配置。効率的に室内気候を管理 ガラリの裏には、ピーエスのプラスCを設置。窓際に設置することで外気温の影響を最小限にし、効率的に室内の環境を快適に保つことができる。風を出さない除湿型放射冷房を使用し、自然環境と同じような心地よい体感性を実現している。
“パッシブとアクティブの組み合わせが「居心地重視」の循環型住居をつくるのです”――彦根アンドレア
快適で持続可能、そして健康的な生活を送るためには、できるだけ建築にパッシブなデザインを取り入れる必要があります。 この住まいでは、高水準の断熱はもちろん、木製サッシの3重ガラスや薪ストーブなど、自然素材を用いた器具を多く取り入れることで、住宅性能を担保しながら、視覚的、心理的な「居心地」にも寄与することができました。 それは住宅のデザインにおいて本質的なものです。そこに、クリーンエネルギーをつくり出す現代的テクノロジーを加味してこの住まいは完成しました。 【Profile】 彦根アンドレア 1962年ドイツ生まれ。87年シュツットガルト工科大学首席修了(建築・都市計画)。88年團・青島建築設計事務所、89年磯崎新アトリエ入所。90年彦根 明と共に彦根建築設計事務所設立。2014年武蔵野美術大学非常勤講師。 (ML267号掲載)