モルディブ版「こういうのがいいんだよ」は、1室2名16万円からのシャンパン付きオールインクルーシブでした
夕方にはサンセットを眺めながらシャンパンで乾杯。ただ海を眺めて泡酒を飲む3日間は、これが最初で最後でしょう。ポンポンッっと抜栓音が響く島は、みんなが根明になりそうなムードです。些細な悩みや、欲張りすぎる気持ちを忘れます。言うまでもなく、絶対に仕事を抱えて来てはいけない。
水中レストランで、サメを眺めながらのディナーを
4泊以上するゲストには水中レストラン「マイナス 6 ミーターズ(MINUS SIX METERS)」での食事も含まれるようになります(3泊までのゲストには有料で提供)。店名通り水深6mに位置し、海の中での食事が叶う場所。店に続く桟橋を渡る時点で高揚します。 店内に入ると270度くらいがガラス張り。珊瑚礁に囲まれているので魚が多く、想像以上の魚種がガラス1枚を隔てて泳ぎ回っています。実は人間の方が水槽の中にいるマイナー種になったようで面白い。「あっ、サメだ!」「ほんとだ、サメだ!」といった単純すぎる会話が起こるのも新鮮。自由な魚たちを見ているうちに泳ぎたくもなってきます。
肩肘はらないカジュアルさがいい
「オーゼン ライフ マードゥー」はカップルで来るのもいいけれど、気心が知れた仲間と4人くらいで旅するのにぴったりの場所。飲んで、語って、潜って、夕日を見て、といったシンプルな贅沢がここにはあります。近年のモルディブはSNS上でブランド競争が進み、「いいなあ」と思わせる投稿が増えています。しかし、そのあと「でも、とても行けない」と諦める人が多いのも事実。ここは、まだ手が届く価格帯で、現地でのリアルな時間に面白みがあるところ。
地元の公園によくある「ジョリ」という網の椅子が置いてあったり、ダイビングセンターのペンが土産物屋のキャラペンだったり、親しみやすさがクセになる。一貫して、「こういうのでいいんだよ こういうので」と感じさせます。
肝心なシュノーケリングにも触れたいですが、2軒目「オーゼン リザーブ ボリフシ」の方が体験したスポットに近かったので次回。「オーゼン ライフ マードゥー」からも遠くはないため、「マードゥー」だけに泊まる人は次回の記述をご参考ください。では、ユルめのモルディブ旅行記は姉妹リゾートに続きます。
● 大石智子(おおいし・ともこ)
出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心にホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。ホテル&レストランリサーチのため、毎月海外に渡航。スペインと南米に行く頻度が高い。柴犬好き。Instagramでも海外情報を発信中。
文/大石智子