妹島和世が語る“時”への思いとは? 庭園でアート、白昼夢のような一日を動画で追体験。
生い茂る葉と葉の間から降ってくるきらきらとした光。ゆたりゆたりと枝を揺らしながら吹き抜けていく風。自然に囲まれた緑の芝生のそこかしこに現代アートが配され、大きな“花”のように咲き誇る緑と黄色のテントの下に人々が集う……。気持ちのいい高原にでもいるかのようなその風景は、初夏のある日、〈東京都庭園美術館〉で一日限り見られたもの。ロレックスのフラグシップ ブティック〈LEXIA GINZA〉のオープンを記念して、〈東京都庭園美術館〉館長である建築家・妹島和世がホストを務めた1日限りのアートイベント『PERPETUAL MOMENT -自然の中の時間-』の一コマだ。白昼夢のようにふと現れて鮮烈な印象を残したこのイベントを編集部が訪れた。 【フォトギャラリーを見る】 東京メトロの白金台駅とJR目黒駅のちょうど中間辺りにある〈東京都庭園美術館〉は、都心のエアポケットのような場所だ。1万坪あまりの敷地に、日本庭園と西洋庭園、青々とした芝生の庭が広がり、元は明治末に創立した旧宮家・朝香宮鳩彦王と明治天皇の第8皇女・允子内親王夫妻の邸宅だったアール・デコ様式の美術館が建つ。美術館はもちろんのこと、季節を映して移ろう木々や草花をゆったりとした歩みで楽しむ人々の姿も見える場所。4月某日、その西洋庭園に一日限りの贅沢な空間が出現して訪れた人々を驚かせた。 『PERPETUAL MOMENT -自然の中の時間-』と題されたそのイベントは、ロレックスが日本最大のロレックス ブティック〈レキシア 銀座本店〉を記念して開催したもの。ホストを務めた妹島和世が話す。 「永遠、恒久といった意味のある“パーペチュアル”と、瞬間=”モーメント”。このイベントのテーマにしたいとロレックスさんからいただいた言葉です。相反するようでいて、チク、タクという瞬間ごとが永遠の未来へとつながっていくのだなと思うと密接に関係している、とても美しい言葉ですよね。今日だけのイベントではあるけれど、それがいらした方の記憶の中で永遠になっていくように、庭園美術館の自然の風景とともにそれが刻まれるようにと願って、このタイトルを決めました」(妹島和世)