【実は危険!?】英専門家が警告する「腸内洗浄」のリスクとは?腸内フローラのバランスの乱れや腹痛の原因になる可能性も
消化管をリセットする究極の方法として注目されている腸内洗浄。“毒素”を洗い流して、活力を高め、心も体も軽くすると言うけれど、そのような効果を裏付ける科学的な証拠は存在しない。 【写真】腸をキレイにするための「4つの方法」 今回は、イギリス版ウィメンズヘルスが専門家の意見をもとに、腸内洗浄の見過ごされがちなリスクを徹底解説。 ※本記事は、イギリス版ウィメンズヘルスからの翻訳をもとに、ウィメンズヘルス日本版が編集して掲載しています。
腸内洗浄とは?
腸内洗浄には、デトックスティー、錠剤、下剤、さらには水浣腸(大量の水を腸に注入して“洗い流す”)といった、さまざまな方法が用いられる。 腸内洗浄の目的は、おなかの張りや消化不良、気だるさを引き起こすとされている“蓄積物”と“老廃物”を除去すること。 多くの人にとって腸内洗浄は、“消化器系の問題の手っ取り早い解決策”だったり、“生活習慣を改善するための第一歩”だったりするけれど、時間と共に蓄積する毒素がキレイに排出されることを期待している点ではみな同じ。
腸内洗浄のリスク
腸内洗浄が健康状態を改善するという科学的根拠は現時点で確認されていない。それどころか、腸内洗浄は身体に思わぬ影響を及ぼし、さらなる問題を引き起こす可能性が。その理由のひとつは、腸内洗浄が腸内フローラ(腸内に存在する約100兆個の微生物の集合体)のバランスに影響を与えることにある。 腸内洗浄では、有害な細菌と共に善玉菌まで流れてしまうことがあり、これが腸内フローラのバランスを崩す原因になる場合がある。また、2011年のレビュー論文によると、腸内洗浄後に腹痛、膨満感、下痢、嘔吐などの副作用が見られたり、脱水症や電解質異常が起こるケースもあるとされている。 こうしたリスクを考慮すると、腸内洗浄が必要とされる病状はほとんどなく、一般的には推奨されないと言える。
腸内洗浄で起こりうる副作用
・下痢 ・腹痛 ・膨満感 ・頭痛 ・吐き気と嘔吐 ・脱力感、めまい、失神 ・脱水 ・電解質異常 ・栄養不足 ・腸内フローラのバランスの乱れ ・炎症 ・腸の感染症 ・腎障害