幸運だけではない!F1イタリアGPで大番狂わせが起きた裏側…なぜガスリーは初Vを果たせたのか?
F1の第8戦イタリアGPで、F1史上稀に見る大番狂わせが起きた。ホンダのパワーユニットを搭載するアルファタウリのピエール・ガスリーが初優勝を飾った。 F1は、チームが独自に開発・製造した、市販されていないオリジナルの車体を使用して戦うモータースポーツで、その車体性能によって成績が大きく左右される。そのため、車体を開発・製造する資金力があるビッグチームに比べると中小規模のチームは、なかなか太刀打ちできない。 2014年に自然吸気エンジンに代わって、高性能なパワーユニットが導入されてから昨年までの6シーズンで優勝したチームはメルセデス、フェラーリ、レッドブルの3チームだけ。いずれもスタッフ数、資金力で中小規模チームを大きく上回るビッグチームだ。いわゆるビッグ3である。 そんな中、今回のイタリアGPで小規模チームのひとつであるアルファタウリが優勝した。F1でビッグ3以外のチームが最後に優勝したのは、2013年のオーストラリアGPで中規模チームのロータスに所属するキミ・ライコネン以来、7年ぶりのことだった。さらにビッグ3以外のチームで、かつそれがドライバーにとって初優勝となる大番狂わせとなると、2012年の第5戦スペインGPのパストール・マルドナド以来、8年ぶりの椿事だった。 今回、この大番狂わせが起きた最大の要因は、ビッグ3チームがいずれもトラブルやミスを連発させたことだった。 まずフェラーリはセバスチャン・ベッテルがブレーキトラブルでリタイア。チームメートのシャルル・ルクレールはドライビングエラーでクラッシュして姿を消した。レッドブルのマックス・フェルスタッペンはパワーユニットのトラブルでリタイア。チームメートのアレクサンダー・アルボンはスタート直後の接触でマシンにダメージを負い、ペースが上がらず、15位に終わった。そして、メルセデスはバルテリ・ボッタスがスタートで出遅れた後、エンジンのオーバーヒートに苦しみ、中団に埋もれて5位でフィニッシュ。 王者ルイス・ハミルトンだけは、ポールポジションからスタートし、レース中盤までトップを独走していた。しかし、レース中盤にセーフティーカーが導入された際に、信じられないミスを犯してしまった。ピットエントリーが閉鎖されていたにもかかわらず、ピットインしたのだ。