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なぜレッドブル・ホンダはF1「70周年記念GP」で今季初Vを果たしたのか…その裏にあった緻密な戦略とは?

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THE PAGE

 2020年のF1第5戦「70周年記念グランプリ」で、レッドブル・ホンダが今シーズン初優勝を飾った。レッドブル・ホンダの優勝は昨シーズンの第20戦ブラジルGP以来、6戦ぶりで、ホンダがイギリスで勝つのはマクラーレンと組んでいた1989年イギリスGP以来、31年ぶりとなる。 「70周年記念グランプリ」という名称が使われたのは、F1が世界選手権として初めて開催されたのが、1950年のイギリスGPで、今年が70周年にあたるからだ。  また新型コロナウイルス感染拡大によって、今年のF1の日程が大幅に変更となり、過密スケジュールとなったことで、前例のない同じサーキットでの2連戦も組み込まれた。今回の「70周年記念グランプリ」も、前週のイギリスGPに引き続き、同じシルバーストン・サーキットで開催された。  イギリスGPという名称は1年に一度しか使用できないため「70周年記念グランプリ」という名称は、ある意味、苦肉の策だった。  同じサーキットで、しかも2週連続でレースが行われれば、事故が起きたり、天候などの外的要因が変わらなければ同じような結果になることが予想される。実際、オーストリアのレッドブルリンクで行われた開幕2連戦も、メルセデスが圧勝。そして、今シーズン2度目の同一サーキット2週連続開催となったシルバーストンでの1戦目、イギリスGPを制したのもメルセデスだった。  ただし、オーストリアでの2連戦と今回のイギリスでの2連戦は、戦う状況が変わっていた。F1ではグランプリごとにハード、ミディアム、ソフトの3種類のタイヤが持ち込まれるのだが、その内容は独占供給するピレリによって決められている。  2020年のタイヤはC1からC5まで全部で5種類ある。その違いはコンパウンド(ゴム)で、C1が最も硬く、C5が最も軟らかい。イギリスGPでは最も硬い組み合わせだったが、今回の70周年記念グランプリでは1段階軟らかい組み合わせが投入された。  ちなみにイギリスGPでは、ハード(C1)→ミディアム(C2)→ソフト(C3)が採用され、70周年記念グランプリでは、 ハード(C2)→ミディアム(C3)→ソフト(C4)の組み合わせとなっていた。  しかも、前戦イギリスGPでは、最も硬いタイヤでもレース終盤にパンクさせるドライバーが相次いだ。そのドライバーの中に、メルセデスのドライバー2人も含まれていた。ファイナルラップでタイヤをパンクさせたルイス・ハミルトンは、スロー走行を余儀なくされ、その1周だけで30秒以上後方にいた2位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に5秒差まで迫られながらの、薄氷を踏む思いで勝ち取った優勝だった。  タイヤは軟らかいほど1周のラップタイムは速くなるが、ロングランという点では硬いほうが安定性がある。したがって、イギリスGPから1段階軟らかくなったタイヤで戦う70周年記念グランプリは、メルセデスにとってはより厳しい戦いになることが予想され、逆に終盤メルセデスを追い詰めたレッドブル・ホンダにとっては有利な条件となっていた。

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