岸田首相が会見 「まん延防止」全面解除へ(全文1)可能な限り日常生活を取り戻す期間に
4回目接種の必要量を確保できる見通しが立った
そして第5にさらなるワクチンの確保です。4回目の接種のありようについては専門家の知見を踏まえ検討しますが、いかなる結論にも対応できるよう、ファイザー社、モデルナ社との交渉を進め、4回目接種の必要量を確保できる見通しが立ちました。具体的にはファイザー、7500万回分、モデルナ、7000万回分を追加購入することとし、今後の最新の科学的知見を踏まえて最も適切な時期に接種できるよう必要量を確保します。 以上、申し上げてきた政策を進めるため、治療薬、検査キット、ワクチンの確保などについて、今年度のコロナ予備費から計1兆3500億円を使用いたします。これらの備えは、今後コロナの再拡大がなければ結果として無駄に終わることもあるかもしれません。しかし安全・安心を確保しながら社会経済活動を回復することの意義、また、引き続き最悪の事態にも備えておくことの重要性について、国民の皆さんの理解を賜れればと思っています。 次に可能な限り日常の生活を取り戻すための方策について申し上げます。第1にワクチン接種歴や検査キットの活用です。今後、イベント、旅行、大人数の会合などの場面において安全・安心を高める取り組みとして、ワクチン接種歴や抗原検査キットの活用を推奨いたします。 第2に濃厚接触者の範囲の重点化と待機期間の短縮です。オミクロンの感染拡大にあっては、濃厚接触者となったために無症状でも仕事を休まざるを得ない方々が増えて業務に支障を来しているとの声が多く聞かれます。専門家の整理を踏まえ、地域の感染状況などに応じて濃厚接触者の特定を医療機関や高齢者施設等、そして家庭内に限定し、感染防止対策がなされていた一般の事業所は濃厚接触者の特定をしないことといたします。また、エッセンシャルワーカー以外の一般の方々についても、広く検査キットを活用することで待機期間を短縮可能といたします。
全国的Go Toは引き続き注意深く検討
第3にワクチン接種です。自衛隊、自治体、そして医療関係者をはじめとする皆さんのご協力により、2月中旬に1日100万回の接種を実現し、接種率はすでにアメリカを上回りました。今月末には合計8100万人の方々に接種券が送付され、また、高齢者の約8割が接種を完了する見込みです。4月から、12歳から17歳の方々への3回目接種も開始できるよう準備を進めます。引き続き若い方々にも、一日も早く希望する方にできるだけ多く接種を受けていただけるよう全力を尽くしていきます。 なお、観光需要喚起策については、まん延防止等重点措置の終了に伴い、県民割について関係団体の合意を前提に4月1日から地域ブロックへと拡大いたします。その際にもワクチン接種歴や検査キットを活用した取り組みを条件に盛り込んで、安心して県境をまたいだ旅行を楽しんでいただけるようにいたします。全国的Go Toについては引き続き注意深く検討していきます。 以上、今後のコロナ対策の基本的考え方を申し上げさせていただきましたが、私自身が最も心を痛めているのが子供たちのことです。2年間に及ぶコロナの影響で子供の学びが遅れているのではないか、いつもマスクをしているので感情表現ができなくなっているのではないかなど、多くの心配の声を各地で聞いてきました。コロナの悪影響をできるだけ小さくするために何をするべきなのか、引き続き幅広い専門家のご意見を伺いながら、感染防止と子供の健やかな学びが両立できるよう、子供たちにとって何が最善かを第一に考えて、検討、取り組みを進めてまいります。 そしてこれから年度末や新年度を迎え、多くの人が集まり、出会う季節となります。最大限の警戒をしながら、可能な限り日常の生活を取り戻す移行期間においても、感染リスクの高い行動を控え、あらためてマスクの着用、手洗い、3密の回避や換気などの基本的感染防止策の徹底を心掛けていただきますよう、お願いをいたします。 ロシアによるウクライナ侵略、新型コロナ対応、いずれも一朝一夕に答えを見いだすことができる問題ではありません。万能な解決策はありませんが、なんとしてもこの困難を乗り越えるという強い覚悟で、国民の皆さんのためにできることを着実に1つ1つ積み上げ、前に進んでまいります。 司会:それでは、これから皆さまよりご質問をいただきます。指名を受けられました方はお近くのスタンドマイクにお進みいただきまして、社名とお名前を明らかにしていただいた上で1人1問ご質問をお願いいたします。まず幹事社からご質問をいただきます。時事通信、石垣さん、どうぞ。