違和感?!なぜ無観客で開幕したプロ野球でマスクを着用している監督と外している監督がいるのか?
ファン待望のプロ野球が無観客試合で開幕、今日23日からは第二節がスタートする。中日の与田剛監督がグランドに聞こえてくる放送局の「実況の声」に苦情を訴えるなど無観客試合ゆえのハプニングも起きているが、セ、パの全試合をテレビやネットでザッピングしているファンの方は、ある「光景の違い」に違和感を持たなかっただろうか。ベンチ内の監督、コーチがマスクを着用しているチームと、していないチームがあるのだ。その理由と背景を取材してみた。
工藤、三木、西村、ラミレス、佐々岡、与田監督は着用
3か月遅れで無観客でスタートした開幕カードは、横浜スタジアムにお邪魔させてもらったが、横浜DeNAのラミレス監督、広島の佐々岡監督、両軍の全コーチがチームカラーのマスクを着用していた。だが、東京ドームで行われた巨人対阪神戦では、対照的に巨人の原監督、元木ヘッドコーチ、宮本投手コーチら全員がマスクを着用していなかった。阪神ベンチも同様で、矢野監督以下、コーチ陣はマスクをしていなかった。マネージャーや広報などベンチを出入りするスタッフだけが着用していた。 気になり全球団のマスク着用の有無を調べてみた。 セ・リーグから見ると、中日は与田監督以下、コーチ陣全員が着用。ヤクルトも開幕戦では高津監督以下、コーチ陣が全員着用していたが、21日の試合では高津監督のみマスクを外していた。 一方、パ・リーグは、西武の辻監督はつけていなかったが、一部のコーチ陣は着用。対戦相手の日ハムは、栗山監督以下、コーチ陣もつけていなかった。ソフトバンクは、工藤監督以下、コーチ全員が着用。対するロッテは、井口監督以下、コーチ陣は着用せず。オリックス対楽天では、両チームともに監督、コーチ全員がマスクを着用していた。楽天は、投手コーチがマウンドに行く際に、マスクをした状態でラインを跨いだ。 なぜこんな違いが生まれているのか。 実は、NPBが発表しているガイドラインによると、監督、コーチ、選手らユニホーム着用者に対しては、移動中のみ「感染予防の観点から移動中のマスク着用と手指衛生の徹底」と書かれていて、球場においては、「グラウンド、ダグアウトを除くすべてのエリア(ロッカールームを含む)においてマスク着用を強く推奨」となっている。つまり球場入りする際やロッカー内でのマスク着用は推奨されているが、グラウンド、ベンチ内では、マスクをつけようが、つけまいが自由なのだ。 一方、トレーナー、マネージャー、通訳、広報等のスタッフに対しては、「マスク常時着用」とされ、ベンチ内でのマスク着用を義務づけている。このガイドラインは、感染症の専門家チームの提言をもとに決められたもの。監督、コーチのベンチ内でのマスクの着用は、あくまでも自由で各チームの判断に任されているのが現状なのだ。それゆえ着用監督と外している監督が、ほぼ半々になるという現象が起きている。