違和感?!なぜ無観客で開幕したプロ野球でマスクを着用している監督と外している監督がいるのか?
中日の加藤球団代表に与田監督以下、コーチ陣がマスクを着用している理由を聞いたところ、「当初、与田監督は、練習試合だけ着用すると言っていたので、公式戦では外すのかなと思っていたが、引き続き与田監督が気を使い、自主的にやってくれている。NPBのガイドラインに沿えば、グラウンド、ベンチでは着用しなくていいことになっているので、これらは、現場の判断。球団としては、そういう自発的な行動はありがたいし感謝している。これからは暑くなるのでマスク着用は心配ではあり、どこかのタイミングで外すときがくるかもしれないが」という。 中日の場合、あくまでも現場の自主的な動きだが、球団の方針として監督、コーチのマスクの着用を徹底しているチームもあるという。 一方、着用していない某球団の関係者に理由を聞くと、「NPBのガイドラインに沿った行動。球団独自で万全の感染予防対策のガイドラインを作って、ユニホーム組、スタッフ全員が、それを徹底して守っているので、グラウンド、ベンチでの監督、コーチのマスクの着用をチームとして義務化することはしていない」との説明が返ってきた。また「熱中症の危険もあるし、集中できない、声が聞き取りにくいとの声もあった」という。 球団によって考え方に温度差がある。 感染拡大防止に関するマスクの効果について、WHO(世界保健機構)は、これまで「健康な人の感染を予防できる十分な根拠がない」と否定的だったが、6月上旬に指針を大幅に変更した。研究の結果、感染が広がっている地域での公共交通機関や店舗など人との距離を取ることが難しい場合でのマスク着用を推奨した。 “アベノマスク“への公費投入には是非論があるが、”国民総マスク着用”が求められ、電車内などではマスクを着用していない人を“マスク警察”がとがめトラブルになるケースまで起きていた。現在、都道府県を跨ぐ移動の自粛など、ほとんどの制限が解除されていて、国内の感染者数も減少傾向にあるが、東京では22日に29人の感染者が出るなど“油断は禁物”の状況は続いている。 斉藤惇コミッショナーは、22日、7月10日から人数を制限して観客を入れていくことを宣言したが、同日に開催されたNPBとJリーグによる「新型コロナウイルス対策連絡会議」において専門家チームからは、応援の感染予防対策を徹底する必要があるとの提言があった。 東邦大学の舘田一博教授は、「まだ東京で毎日、30、40人と感染者が出ている。水面下でどういうふうな動きがあるのか、まだ予断の許さない状況が続いている。来週、再来週の感染者数、国の方針を参考にしながら、我々の情報解析の中で、(客入れを)やるべきではないというコンセンサスが得られたら、今は控えた方がいいとなる。7月10日はあくでも予定。今からの動きを見て最終的に決断することになる」と警鐘を鳴らす。