衝撃デビューの広島森下は白星逃すも「始まったばかり」…横浜DeNAラミレス監督は「エースになれるポテンシャル」と異例の最大級敬意
広島のドラフト1位ルーキー、森下暢仁(22、明大出)が21日、横浜スタジアムで行われた横浜DeNA戦にプロ初登板、7回を投げ4安打8奪三振無失点に抑えたが、12球団新人一番乗りの勝利はならなかった。1-0で迎えた9回に新守護神のテイラー・スコット(28)が4連打を浴びて逆転サヨナラ負けを喫した。それでも試合後に敵将のラミレス監督が今季初の勝利インタビューの中で「エースになれるポテンシャル」と絶賛するなど、衝撃のプロデビューとなった。
「攻めていこう」と強気メンタル
横浜DeNAの一塁ベンチ前では、サヨナラのヒーロー宮崎が”肘タッチ”でナインの祝福を受けている。最前列で、アイシングをしながら新守護神のスコットのピッチングを見守っていた森下は、悔しさを押し殺すようにして帰り支度をした。 4安打8奪三振2四球無失点の完璧なピッチングで1点を守ったまま7回にマウンドを降りた。8回を菊池保がつなぎ、あとアウト3つで手にするはずだったプロ初勝利は、ハマ打線の“嵐の4連打“の前に消滅した。これも野球である。 「自分が9回に投げていてもこうなったかもしれない。まだ始まったばかりです。次もこういうピッチングをできるようにしたい」 端正な顔を少し湿らせ代表取材に応じた森下はポジティブだった。 一方、9回無死満塁から宮崎の劇的な逆転サヨナラタイムリーで、今季初勝利を手にしたラミレス監督は、場内のフラッシュインタビューで、この衝撃のルーキーに最大級の敬意を示した。 「戦略を練って臨んだが、森下は凄く良かった。素晴らしいポテンシャルを持っている。エースになりえるピッチャー。(7回で)ピッチャーを代えてくれて良かった」 敵将にここまで言わしめたのも異例である。それほどの衝撃的なデビュー登板だったのだ。 明大卒の大物ルーキーも6月の練習試合では結果が伴わなかった。7日のオリックス戦で4回2/3を投げて6失点、最終調整となった14日のソフトバンク戦でも4回9失点で降板していた。森下は公式戦デビュー戦を前に、その修正をメンタルの持ち方に求めた。 「(練習試合での)ボール自体は悪くなかったので攻めていこうとマウンドに立ちました」