アナログな「手書き」が物忘れや認知症予防に!日記で記憶力アップ&手紙で喜怒哀楽を活性化【医師監修】
字を書くときは丁寧に。公園や自然が多い場所で書くのも効果的
脳に刺激を与えるには写経や新聞の書き写しよりも、自分で考えた内容を書く方がベター。手紙から始めるのがいいと話すのは濱崎さんだ。 「“この人にはこうした方がうまく伝わる”と相手のことを想像しながら手紙を書くことで、人間の喜怒哀楽を司る大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)が活性化します。大脳辺縁系は記憶する機能を維持するのに重要な海馬とも結びついているので、リラックスして優しい気持ちで書くといいでしょう。スマホのLINEなどで短文や絵文字のやり取りばかりしていると、文章を考える力が失われます」 字を書くときは、とにかく丁寧さを心がけたい。 「とめ・はね・はらいなど細かい部分を意識することで、脳がより活発化します。文字にはそれぞれ意味があるので、ひらがなや漢字の成り立ちなどを考えながら書くのもいい。書いた内容を見直すことも大切。同じ神経回路を何度も使うので、脳全体が活性化して強化されます」(濱崎さん) 「美文字」である必要はないという。 「丁寧に書くことで気持ちが相手に伝わるうえ、脳の情報も整理される。字が下手だから書くのは苦手だという人がいますが、気にせずに書くことを習慣化してください」(長谷川さん) 奥村さんは、ものを書くときは公園など五感が働く環境で取り組むのもいいとアドバイスする。 「自然の中で書きものをすると、花の香りや鳥の鳴き声によって嗅覚や聴覚からも脳が刺激されます。忙しくても、ペンとノートを持って外出するくらいのゆとりを持って生活してください」 脳の専門家たちがすすめる方法は、どれも手軽に始められるものばかり。ぜひ今日から始めてみよう。 写真/PIXTA ※女性セブン2024年11月21日号