暴行で引退の元貴ノ富士、スダリオ剛がRIZINデビュー戦でTKO勝利「力士の格闘家転向は成功しない」のジンクスを打ち破ることができるのか?
MMA初挑戦のプロレスラーは、デビュー戦の相手としては、ラッキーなマッチメイクだった。今後、経験者を相手にしたときにどんなファイトをできるのか。格闘家としての進化をどれだけスピードアップできるのか。試練は山積みである。 「喧嘩をやらせれば力士が一番強い」との伝説があったが、角界からの格闘家への転向で成功している例はほとんどない。ボブ・サップにリングに這わされた曙に始まり、戦闘竜、把瑠都、大砂嵐と、元力士はみんな壁にぶちあたった。 だが、スダリオは23歳と若く、157キロから112キロまで45キロの減量で絞った肉体に加え、角界入り前にバスケットボールでNBAの八村塁と争ったほどの運動センスの高さがある。そして何より、その覚悟の強さに可能性がある。 ジェイムスも「打撃が強い」と言い、力士の格闘家転向に懐疑的だった榊原信行CEOも、「総合の試合への対応ができていることに驚いた。グラウンドや、組みついて(の攻防)は、さすがに腰が重い。タックルを切るなど最低限必要なものは学んでいることの確認ができた。身体能力は高い。あの身長と、あの体重で潜在能力の高さがわかった」と評価した。 当初、まだ準備不足のため大晦日デビューの計画で、正式に試合が決まったのは、直前の9月10日だったというが、「チャレンジさせて良かった」と言う。デビュー戦で非凡さをアピールしたスダリオが、「力士の総合格闘家転向は成功しない」というジンクスを覆すことになるのかもしれない。