暴行で引退の元貴ノ富士、スダリオ剛がRIZINデビュー戦でTKO勝利「力士の格闘家転向は成功しない」のジンクスを打ち破ることができるのか?
昨年10月、大相撲で2度の暴行事件を起こし角界からの引退を余儀なくされた。結婚したばかりの妻の後押しがあって、格闘界への転身を決め、元大関・小錦の紹介で、PRIDEのリングでも活躍したエンセン井上の所属するPUREBREDジムの門をたたいた。 その妻へは「1年前、格闘技をやるつもりもなかった。やっとこの舞台に立ったよ。とりあえず最初はいい結果で終わったよ、と伝えたいです」という。 まだ本格的に総合のトレーニングをはじめて数か月だが、力士から格闘家へのシフトチェンジができつつある。 「お相撲さんのときは、常に100パーセントの力でいかないと、ちょっとしたことで負けてしまうというのがあった。今回は、まずリラックスして練習でやっていることを、3ラウンド、全部、続けれるような考え方。そこがちょっと違いました」 そして、こう勇ましく言う。 「力士のときも相手を殺すという気持ちでいっていたんですが、格闘技の場合は、その気持ちがさらに強くなった」 だからあえて相撲技は封印していた。 「相撲の技をやって通用するものもあるのでしょうが、MMAの体の使い方にシフトしていた。相撲の技を使うことは、まったく考えていなかった」 目標は、修斗初代ヘビー王者である“師匠”のエンセン井上だという。スダリオは、エンセンの代名詞である「大和魂」と書かれたTシャツを着て入場した。そのエンセンからは、試合後、「いい経験になったな」と声をかけられた。 格闘家としては、相撲の番付で言えば「序の口」である。本人も、それを理解している。 「まだまだ技術面、スタミナ、フィジカルと基本的なことが100パーセント身についていないので次の試合までにもっとレベルアップしたい。自分のスタイルもわかりきっていない。どの距離で戦うのが得意なのか。今回は、長年、格闘技をやってこられた方とは違い、相撲では接近戦の勝負だったので、そこを生かしつつ、いろんなところに対応しようというやり方だった。僕に何があってるのか、もっと探りながらきつい練習をしていきたいと思う」