なぜ全米女子OP初日に渋野日向子は6ボギーを叩いたのか…「情けない発進」
迎えた最終18番(パー4・325ヤード)。フェアウェイのど真ん中にティショットを放ち、打ち上げで縦長のグリーンを狙った100ヤードのセカンドショットは、グリーン左側のマウンドを利用する形で約3メートルにオン。バーディーパットも難なく沈めた。 畑岡とともに同組で回ったアンナ・ノードクビスト(33・スウェーデン)と拳でタッチを交わした渋野は「とりあえずよかったです」と、ようやくトレードマークでもある笑顔を浮かべながら、2日目以降につながるバーディー締めを喜んだ。 「後半はチャンスで決めきれなくて、パーオンできなかったホールでボギーにしてしまう嫌な流れだったんですけど、最後に断ち切ることができてひと安心しています」 予想に反してラフに打ち込んだ回数が少なくてもボギーが先行し、バーディーを狙っていたロングホールでもスコアを伸ばせなかった。まさに誤算続きだった初日を終えてみれば、上がり3ホールはすべて「ラッキーと思っていいくらい」と位置づけていたパーオンに成功。絶対に叩かないと心中で自分に言い聞かせてきたダブルボギーもゼロだった。 つまりは同じ誤算でも“嬉しいそれ”が最後には続き、終わりよければすべてよし、とばかりに、いいイメージを残したまま気分よく2日目を迎えられる。 「明日もしっかりと我慢、我慢のゴルフをしながら、パー5を中心に(バーディーを)取れるところで取るゴルフをしていきたい」 初日をホールアウトしたとき、サンフランシスコ郊外にあるオリンピッククラブ・レイクコースは現地時間午後8時に近づいていた。一転して同午前8時39分のスタートとなる2日目へ、渋野はこんな言葉を残してコースを後にしている。 「12時間後にはラウンドしていますね。寝ながらゴルフをしている感じですね」 タフなコースに心身ともに苦しめられ、蓄積した疲労も最終ホールのバーディーで吹き飛んだ。軽妙なジョークは巻き返しへの、そして予選通過と上位進出への狼煙となる。