テストで見えた勢力図、YARTは今年も驚速か? | 鈴鹿8耐2024 プレビュー
合同テストは仕上げに入っているというよりは、まだライダー同士の合わせ込みの部分に時間を費やしたり、オーディションを行ったりするチームが多く、最も精力的に走り込んで順調にテストをこなしていたのは「YAMALUBE YART YAMAHA」くらいだったという印象です。
「YAMALUBE YART YAMAHA」は今年もニッコロ・カネパ、マービン・フリッツ、カレル・ハニカのEWCレギュラー参戦の3人が乗ることになり、どのセッションも2台同時にピットアウトし、お互い離れずに同じペースでロングランを続けていました。3人のペースがほぼ同じで、なおかつラップタイムのペースが良いという好循環でテストをこなし、ピットでも仲の良い3人が常に笑顔でいるという状況でした。
今年の鈴鹿8耐にヤマハ純正オイルのYAMALUBEが冠についたことを考えても日本のヤマハ発動機の力の入れようは昨年以上だと考えて良いでしょう。今はワークスチームのYAMAHA FACTORY RACING TEAMは全日本ロードレースだけの活動になっていますが、ピット裏には全日本チームのクルーが裏に控えており、ワークスチーム的雰囲気が漂っています。
昨年はホンダワークスにかなり肉薄したYART。レースではトラブルに見舞われましたが、今年もホンダワークスの対抗馬となることは間違いないでしょう。ただ、今年はそこにもう1チーム加わってきそうです。そのチームは「Ducati Team KAGAYAMA」です。
ドゥカティ・パニガーレV4Rのファクトリーマシンを引っ提げて初参戦する同チームはもっとバタバタなテスト走行になるのかと思いきや、トラブルもなく順調にテスト走行を重ねました。テスト走行ではチーム代表の加賀山就臣が自ら乗って走行するサプライズをするほどの余裕には驚きました。
ドゥカティのファクトリーマシンには耐久レース用のパーツがないため、燃料タンクなど多くのパーツをTeam KAGAYAMAが独自のノウハウで製作しているそうなんですが、加賀山代表自らの走行は燃料タンクのガス欠チェックをするための走行だったと考えられます。テストが順調ではなく、スタッフにも余裕がなければなかなか考えつかないことだと思います。それくらい今の「Ducati Team KAGAYAMA」はまとまっており、レースペースも速いですから、これはレースウィークにまた相当な進化を見せるのではないかと期待しています。