テストで見えた勢力図、YARTは今年も驚速か? | 鈴鹿8耐2024 プレビュー
おそらく上記3チームが優勝争いを展開することになるでしょう。では第2勢力とも言える表彰台の一角を狙っていくプライベーターはどうでしょうか。FIM EWCレギュラーチームである「YOSHIMURA SERT Motul」は頼みの綱であるグレッグ・ブラックがコースイン直後に転倒。腕を骨折してしまい、レースウィークには間に合わないかもしれないとのこと。ダン・リンフットと渥美心の2人体制でレースを強いられることになるかもしれません。
そして「F.C.C. TSR Honda France」は合同テストを欠席してしまいました。チームからはスタッフの欠員、マシンが未完成との理由で参加を見合わせたとのこと。日本とフランスがベースであるTSRは日本にもマシンがあるため参加できると思うのですが、マシン未完成という言葉には鈴鹿8耐でリニューアルした2024年モデルのホンダCBR1000RR-Rを投入する計画なのではと考えられます。昨年までのモデルとは大きく特性が変わっているという新型CBRは徐々に全日本JSB1000ではポテンシャルを上げて来ていますが、TSRはぶっつけ本番の鈴鹿8耐ということになります。
そんな中、伏兵となりそうなのが清成龍一、渡辺一樹、榎戸育寛という素晴らしいライダーラインナップを作り上げた「TOHO Racing」でしょう。昨年は再車検後に失格裁定が下り2位表彰台をフイにしてしまいましたから、今年は手堅くレースを進めてくるでしょう。3人ともにアグレッシブで速いライダーですから、ホンダのプライベーター勢の中では最有力チームと言って良いと思います。
一方ライダーラインナップを変更したチームが合わせ込みに苦戦する中、スズキのプライベーター「オートレース宇部 Racing Team」はタイムこそ上位に来なかったものの良い雰囲気がチームには漂っていました。このチームはダン・リンフット、ハフィス・シャーリンが他チームに移籍してしまい、残ったのは津田拓也だけ。そこに40代のベテラン、アンソニー・ウエスト、そしてMoto2ライダーのバリー・バルトゥスを起用しました。全くの未知数ラインナップにはなりましたが、最終的にはタイムを揃えることに成功していましたから、決勝では昨年同様に追い上げてくるでしょう。