海外メディアも羽生結弦“まさか”のSP8位発進に衝撃…「アイス・プリンスがつまずいた」「金メダル困難も表彰台なら」
北京五輪のフィギュアスケート男子シングルSPが8日、北京の首都体育館で行われ、94年ぶりとなる大会3連覇を狙う羽生結弦(27、ANA)が冒頭に予定していた4回転サルコーが1回転となり無得点となるミスが響き8位と出遅れる波乱があった。トップに立ったのは羽生の保持していたSPの世界最高得点を更新する113.97点を出した世界選手権3連覇中のネイサン・チェン(22、米国)。「いつ北京入りするか」と羽生の動向に注目していた海外メディアも3連覇を狙う“アイス・プリンス”の波乱のスタートを衝撃をもって伝えた。
「メダルのチャンスは厳しく」
英BBCは「チェンが首位、羽生はつまずく」との見出しを取り、「米国選手のチェンが素晴らしいSPを披露して首位に立ったが、前大会王者の羽生のメダルのチャンスは厳しくなった」との厳しい見解を伝えた。 記事は「2度の五輪覇者(羽生)と3度の世界選手権覇者(チェン)による天王山決戦は、今大会で最も強く待ち望まれていたことのひとつだった。だが羽生は最初の4回転サルコーをミスし、わずか95.15点で8位にとどまった」と紹介。 「(平昌五輪の)大会前に優勝候補とされた当時18歳のチェンが緊張であがってしまいSPでジャンプの着地をミスした4年前とは異なるストーリーになった」と続け、平昌五輪のSPで転倒して17位と大きく出遅れたチェンの“過去”を紹介した。 またフリーで羽生が挑む予定の4回転アクセルに触れ、「この大会に出場するまでに足首の故障があった羽生は、彼のメダルの望みを奪い返すために何か特別なものが必要となる。史上初という形でそれを披露するかもしれない。『アイス・プリンス』のニックネームを持つ彼は大会で体を4回転半させる4回転アクセルの着地に成功する初のスケート選手になることに挑戦すると明言していた」と記した。 欧州をカバーするユーロスポーツは「羽生が不覚を取った後、チェンが(SPの)世界最高得点でトップに立つ」との見出しを取り、「羽生は最初の技で不覚を取りSPのトップ3にさえ入らなかった」と伝えた。 記事は羽生の滑りについて記しつつ、「羽生の北京五輪にかんしては、4回転アクセルに挑戦し、成功する初の五輪選手となるだろうという大きな期待があった。だが、SPの冒頭で4回転サルコーに失敗して約10点を失った。残りのプログラムは綺麗に滑ったが、彼の得点はトップ3に入るためには足りなかった。羽生は足が氷上の穴にはまったことを試合後に明かした」などと続け、整氷後に氷上にできた“穴”に足を取られるトラブルで4回転サルコーが飛べなかったことを説明した。