西武は今オフに大量の戦力外か 今川優馬、中村奨成を「補強すべき」の声 渡辺久信GMでも貧打深刻
西武が暗いトンネルから抜け出せない。最下位に低迷した松井稼頭央監督が成績不振のため休養し、渡辺久信GMが交流戦から監督代行を務めたが4勝14敗と大きく負け越し。状況が好転しない。借金は25にふくらみ、3位・日本ハムに14.5ゲーム差。シーズンはまだ半分を折り返していないにもかかわらず、CS進出が厳しい状況に追い込まれている。「大幅なテコ入れが必要」との見方もあり、他球団でくすぶっている選手の移籍にも注目が集まる。 【写真】メジャー関係者が明かす「佐々木朗希より欲しい」投手がこちら スポーツ紙デスクは、 「目先の白星より数年先を見据えて育成に専念すべきでは。32歳のシーズンになる源田壮亮、外崎修汰の二遊間も結果が出ないのなら、レギュラーを確約しなくていいと思います。新庄剛志監督が就任当初の日本ハムのように、若手の育成に重点を置いてチームの土台を作り直すなら、結果が伴わなくてもファンは納得できるでしょう。西武は抜本的な改革が必要だと思います」 と指摘する。 ■低すぎる1試合の平均得点 低迷は貧打に尽きる。交流戦中は18試合で12球団ワーストの25得点。1試合の平均得点が1.39では勝てない。得点が取れないので、投手陣にも大きな負担がかかる。チーム防御率を見ると3、4月は2.56だったが、5月は3.82、6月も3.79と悪化している。エースの高橋光成は9試合登板で0勝7敗、防御率4.32。今井達也も投球内容は決して悪くないが、5月12日の楽天戦(ベルーナ)で3勝目を挙げて以来1カ月以上白星から遠ざかっている。投打の歯車がかみ合わず、負のスパイラルに陥っている。
チーム編成を見ると、「中堅組」の伸び悩みが誤算となっている。外野陣は顕著だ。 秋山翔吾(現広島)が2019年オフに海外FA権を行使して米国・レッズに移籍すると、翌20年から外野3枠のレギュラーが1つも固定できない状況が続く。リードオフマンで期待された金子侑司は度重なる故障で1軍に定着できず34歳とベテランの域に。川越誠司(現中日、30)、愛斗(現ロッテ、27)、若林楽人(26)、鈴木将平(26)、西川愛也(25)、岸潤一郎(27)、高木渉(24)、蛭間拓哉(23)、長谷川信哉(22)らにチャンスが与えられたが、殻を破れず伸び悩んでいる。内野も渡部健人(25)、佐藤龍世(27)がファームで調整中と新戦力が台頭してこない。 ■未来が明るい日本ハム 他球団のスタメンを見ると、25~30歳までの世代がチームの核になっている。 交流戦初優勝を飾った楽天は、小郷裕哉(27)、辰己涼介(27)、太田光(27)、村林一輝(26)、小深田大翔(28)、渡辺佳明(27)と野球人生で上昇気流に乗っている選手たちがズラリ。 ソフトバンクは山川穂高、近藤健介をFAで補強し、柳田悠岐、今宮健太、甲斐拓也、中村晃といずれも30代を超えた選手たちが主力だが、周東佑京(28)、栗原陵矢(27)、柳町達(27)が中軸で活躍している。 未来が明るいのは日本ハムだ。チームの中心を担う万波中世、水谷瞬、田宮裕涼、水野達稀、野村佑希はいずれも「00年世代」。アリエル・マルティネス(28)、郡司裕也(26)、上川畑大悟(27)、清宮幸太郎(25)もこれから脂が乗りきる時期に入る。 オリックスも主力選手の年齢バランスが非常にいい。若月健矢(28)、宗佑磨(28)、頓宮裕真(27)、中川圭太(28)に加えてFA移籍の森友哉(28)、西川龍馬(29)もまだ20代。紅林弘太郎(22)、太田椋(23)もレギュラーで一本立ちしている。