関電の金品受領問題 第三者委が会見(全文8)三十数年前とは時代が変わっている
会社法に違反したという認識でよいのか
朝日新聞:すいません。朝日新聞の【加藤 03:16:55】と申します。まず、念のため確認なんですが、まず、いずれも金沢国税局の調査後の話で、取締役の法的責任なんですが、会社法では内部統制の構築義務とか、監視業務とか、あと、もしくは取締役会に報告の義務が課されていますが、いずれもこれは会社法に違反したという認識でよろしいでしょうか。 但木:断定しているものは何もありません。もちろん、取締役会で論議すべきであったというのがわれわれの認識ですけれども、ただ、それは全容を知った上で判断すれば、それは取締役会で論議すべき事案であったということになる。それから監査役についても全容を知っていたら必ず、それは取締役会に報告しなきゃいけないだろうなって、それは私たちの立場ですけれども、だからといって当時のあの報告書ができた段階で監査役が重要な事実ということ、なんでしたっけ、重大な不当な事実。 司会:著しく不当な事実。 但木:著しく不当な事実。著しく不当な事実だというふうに認識できたかどうかというのは、個々の監査役の、なんて言うか、そのときの情報がどのくらいあったのかとか、いろんなことを論じなければ、一概に善管注意義務違反かどうかっていうのを論じるわけにはいかないだろうと思います。
会社法に違反していたとはいえないのか
朝日新聞:会社法362条で内部統制のシステムの構築義務というのが課されていますが、これはやはり明らかに違反していたということはできないでしょうか。 司会:今おっしゃっているのが、いわゆる内部統制構築義務と、すなわち、自分自身が違反行為を実際にやらなくても、あるいは知ってて黙認しなかったとしても、そもそもそういうものがあぶり出せるようなシステムを構築していなかったということが、今おっしゃった内部統制構築義務違反だろうというふうに思っていまして、それっていうのは、もともと要は金品を受領していた方々とかっていう、要は、よりもより外の話でございまして、なかなかこの調査自体で内部統制構築義務違反、もともと裁判例上も非常に難しいケースだというふうに理解していますので、そこをなかなか論じるには至っていないということだというふうに思っています。 朝日新聞:分かりました。あと2つ、ちょっと委員長にお願いします。この10年間でオリンパスの巨額損失とか、東芝とか、不正会計とか、あと、最近では日産のカルロス・ゴーン元会長の事件とか、あと、いろいろ品質の不正の事件がありまして、それらと非常に似てるなと、私、感じを持っておりまして、いわゆる日本人のダイバーシティーのなさとか、問題を曖昧にするとか、今回の問題も監査役と、コンプライアンス担当の執行役員と、あと、社長、会長がお互いにお互いの都合のいいように解釈して、非常に問題を曖昧にしてると。で、こういう、一連の日本の企業文化がこの背景にあるのかなという気がするんですが、委員長、どんな感想をお持ちですか。 但木:おっしゃることは誠にそのとおりっていう気もするんですね。ただ、現在は株主が外国のファンドがたくさん入ってきていますから、この企業風土で本当に日本の株が買われ続けるかどうかは怪しくて、企業も外国のファンドに投資してもらえるぐらいに透明性と、それからコンプライアンスの高さをつくっていかなきゃいけないと。コンプライアンスは企業価値だとまでいわれている時代になってきたので、それは本当に日本の企業が変えていかないとグローバルスタンダードに追い付いていけなくなっちゃうんじゃないかっていう、それはそう思います。 【書き起こし】関電の金品受領問題 第三者委が会見 全文9へ続く