関電の金品受領問題 第三者委が会見(全文8)三十数年前とは時代が変わっている
特命発注制度の廃止は盛り込めなかったのか
記者1:ありがとうございます。もう1つ、ちょっと関連するんですけども、報告書の114ページでしたっけ、そこら辺でもずっと特命発注のことが書かれていまして、先生がおっしゃった、今、194ページのその透明性の向上っていうところがあるんですけども、結局、特命発注という制度が、民間会社なので個別の工事のチェックはできないんだけども、ある意味、独占のような電力会社で特命発注という制度で、原発で適用されてしまっているが故に森山氏のような人間が生まれてる、生き続けられたというような気もしておるんですが、先生、この特命発注の制度をやめましょうとか、そこまでは194ページには入れ込めなかったものなんでしょうか。 但木:原子力の場合は非常に特殊な技術が必要で、かつ、そのクオリティーが必要なんですね。で、それと地元を優先するっていうのがあるわけですね。で、その特命発注そのものを全部なくしたらどうかっていうのも1つの考えとしてはあると思うんですよ。全て競争入札でやったらどうかという。ただ、それにはいろいろ問題があって、1つは技術的に高いレベルの企業がその地域にないとできないっていうことです。で、残念ながら高浜の場合に、そんなに技術力が高い企業ってないんですね。だから、その前提には同じぐらいの力がある企業を幾つも地元につくっていくことが大事で、それには例えば人材の問題とか、いろんな問題が絡んでいるんですね。 で、例えば柳田産業がずっと、点検をずっとやっているわけですね。で、それはやっぱり、その技術力の問題と、それから高浜町の原発について細部まで知ってて、それで、なんて言うか、海に沈んでいる鉄の部分にどれだけ貝が付くかとか、そういうものも知り尽くした企業がやってくれたほうが安全に仕上がるっていう問題があって、そう簡単に特命発注は全部駄目とかいうのを最初から決め付けるってなかなか難しいです。原子力の場合はそういう問題があるんで、だから、できるだけ技術の高い企業を育てていかなきゃいけない。で、その正しい競争関係に立てるようにしなきゃいけない。それがこれからの1つの大きなテーマではないかなというふうに思っています。 記者1:ありがとうございます。 司会:そちらから見て左端の方、どうぞ。