日本は四季から二季に変わった? 暑い夏が続くと思ったら急に冬に。専門家が語る異常気象
気候変動に対して私たちができることは?
── 先生のお話を伺い、気候変動対策の重要性を感じましたが、私たちが個人レベルで取り組めることはあるのでしょうか。 私はできるだけ車に乗る機会を減らし、歩いたり自転車に乗ったり、移動手段を意識しています。 車に乗らない人は、電気をこまめに消すとか、LEDを使用するとか、とにかく意識を変えることが大事です。 これは人によって生活スタイルが異なるので、それに合った二酸化炭素の削減方法を意識してほしいと思います。 気付きにくい例を挙げるとしたら、窓の断熱性を上げること。 窓を取り換えるのは難しいので、断熱カーテンの使用がおすすめです。 これを使うだけでも、エアコンの効き目が変わるので、夏も冬も二酸化炭素の排出を抑えられます。 EV車や太陽光パネルを導入するといった例もありますが、お金がかかる方法は大変なので、無理して続かないよりも続けられることから始めてください。大事なのは、無理して耐え忍んでまでして、行動しないことです。それでは長続きしません。新しい生活スタイルを楽しむほうが圧倒的に長続きします。ダイエットと似てますね。 そして、一番大事なのは気候変動を自分事と考える人が大多数になることです。 一部の人がいくら頑張っても、気候変動は改善されません。 半数以上の人が少しでも気候変動について考え、二酸化炭素を出さない生活を心がければ、きっと変わるはずです。 ── 最後となりますが、立花先生が所属する生物資源学部では、どのようなことを学べるのでしょうか。また、環境問題に興味がある方々にメッセージがあればお願いします。 生物資源学と聞いたら、生物系の研究をイメージするかもしれませんが、私たちの生物資源学部は農学部と水産学部が合併して、さらに理学系のグループも合流した学部です。 そのため、生物を育む環境について研究し、農林環境や海洋生物だけでなく、気候も対象となります。 生物にとって、最適な気候がどういうものか。その変化や関わりなど広く学びます。 気象の研究の多くは地球学科系の学科に含まれますが、異常気象を農業や海洋水産とマージさせた学部は、日本では限られているはずです。 もし、生物資源学部に興味を持っていただけたら、気候の問題を解決できるよう、ぜひ一緒に頑張りたいと思います。 環境問題に興味がある方は多くいるかもしれませんが、その中心は気候問題です。 若い人たちが活躍する時代に、酷い環境であってほしくない。だから、私も手伝います。 それから、たまにテレビに出させてもらっていますが、環境問題を扱う番組は視聴率が低い傾向にあると感じています。 国民の中に興味を持つ人がいないから、マスメディアでもそういう情報は取り扱わない。 そうなると、さらに興味を持つ人は増えなくなってしまうので、環境問題を取り扱う番組は積極的に見て、周りに広めていただきたいと思います。 それだけでも、ポジティブな動きにつながるはずです。 テレビに限らず、そういった情報はマメにチェックしてもらえたら、多くの人の意識が変わるきっかけになるかもしれません。