衆院解散 岸田首相が会見(全文2)原子力も選択肢として用意すべき
前政権の温暖化ガス削減目標を堅持するのか
ウォール・ストリート・ジャーナル:ウォール・ストリート・ジャーナルのランダースと申します。4月に当時の菅総理が、温暖化効果ガスの削減目標については2030年までに、2013年度に比べて46%削減する目標を発表したと思います。ただ、この前の所信表明演説では、岸田総理は2030年の目標については言及しなかったんです。この菅前総理が掲げた目標を堅持するおつもりでしょうか、それとも取り下げるつもりですか。お願いします。 岸田:今のご質問に対しては、ご指摘の2030年、マイナス46%、さらには2050年カーボンニュートラル、この目標はしっかりと堅持をいたします。この目標を堅持した上で、さまざまな環境対策、あるいはエネルギー問題、しっかり取り組んでいきたいと思っています。それを基本にしながらしっかりと現実的な対応を考えます。 司会:では次の方。秋山さん。
成長戦略はどこから手を付けるのか
日本経済新聞:日本経済新聞社の秋山です。よろしくお願いします。成長戦略についてお伺いします。総理は成長と分配の好循環を訴えられて、成長も分配もとおっしゃられて、分配についてはまず賃金を上げるというところから始めるということをこの間、説明されたと思いますが、この成長戦略については科学技術立国とかデジタル田園都市、それぞれお考えを示されてますが、まず具体的に、成長戦略についてもどこから手を付けるのか、予算編成とか税制改正とか、選挙が終わったら控えてると思うんですけども、スケジュールも併せて説明をお願いいたします。 岸田:成長戦略については、私は3つ柱があると思っています。1つは科学技術・イノベーション、この部分ですが、10兆円の大学ファンドをはじめ、しっかりとこれを支えていく。2つ目は、地方における介護ですとか、あるいは農業ですとか、こうした課題をデジタルという手法によって解決をして、地方から成長をしっかりと膨らませていく、こういった取り組み。 そして3点目は、やはり経済安全保障だと思っています。半導体あるいはレアアースをはじめとする、わが国にとって重要な戦略物資を中心に、日本の国内で必要とされる生産やサプライチェーンをしっかり確保していく、こうした日本の国の自律性、これを高めていく。さらに言うと、経済安全保障ですと、日本ならではの技術、要するに日本の技術でなければならないんだという、この不可欠性、世界の経済の中で日本のこの技術がなければ動かないというぐらいの不可欠性、これを示すことによって成長を考えていく。このように科学技術・イノベーションと、そして地方のデジタル化と、そして経済安全保障、この3本をしっかり柱として経済を成長させていきたいと思っています。