なぜ亀田興毅氏は故郷大阪にプロボクシングジムを開設したのか?
ボクシングの元世界3階級制覇王者で「亀田3兄弟」の長男、亀田興毅氏(34)が1日、自身が会長を務めるプロボクシングジム「3150ファイトクラブ」の開設会見を大阪西成区の同ジムで行った。新型コロナ禍で興行が激減する中、ジムの会長として後進ボクサーを育成するだけでなく、プロモーターとしても自慢の発信力とライブ配信アプリやギフティングサービスなどを駆使した「亀田モデル」ともいうべき新たな興行スタイルに挑戦する考えだという。7年前に東京で一度、フィットネスジムを立ち上げながらも“閉鎖”に追い込まれた経験のある興毅氏は、新しいプロボクシングジムの経営を成功に導くことができるのか?
「亀の恩返しでボクシング界を盛り上げたい」
晴れ晴れとした表情で会見に臨んだ新会長は「鶴の恩返しならぬ亀の恩返しでボクシング界を盛り上げたい。世界王者になれたので次はプロモーターとして世界一になりたい。命を懸けて戦っている選手に見合ったファイトマネーを提供できるように、少しでも貢献できたら」と意気込んだ。 かつて所属していたグリーンツダジムとのファイトマネー未払い問題により、大阪を飛び出し、東京の協栄ジムへ一家で移籍したのが05年4月。その後、亀田ジムを経て、2014年には東京・三軒茶屋の一等地にフィットネスジムの「K3BOX&FITGYM」を立ち上げたが、次男・大毅の世界戦問題を巡ってJBC(日本ボクシングコミッション)から処分を下されていたことも手伝って閉鎖に追い込まれていた。のちに損害賠償請求裁判でJBCの処分は不当であることが認められたが、プロジム設立は興毅氏の悲願。しかも出身地の大阪で活動するのは実に16年ぶりとなる。 ジムは、父・史郎氏(55)がアマチュア選手を指導していた立派な施設を引き継ぎ、ジム名にはYouTuberとして大活躍中の史郎氏の決めゼリフの「3150(サイコー)」を取り入れた。YouTubeで同名の番組企画も進行していた。 「関西に戻るに当たってはいろいろな声があった。誠心誠意を尽くして関西のジム10カ所以上をあいさつして回りました。大阪の良さは1回会えば友だち。2回目ではマブだち。3回目だと家族みたいになれるところ。そこはメキシコとよく似ている。各ジムの会長からは発信力に期待していると言われた。その思いに少しでも応えられたら」