幻に終わった亀田和毅RIZIN参戦計画…対戦流れた皇治は元PRIDE”レジェンド”五味と体重差約10キロの異色マッチ
総合格闘技イベントの「RIZIN.26」(大晦日・さいたまスーパーアリーナ)の追加カードの発表会見が21日、都内で行われ、スペシャルエキシビションマッチとしてパンチだけのRIZIN特別スダンディングバウトルールでの元PRIDE王者の五味隆典(42、イーストリンカンラスカルジム)と元K-1戦士の皇治(31、TEAMONE)の異色マッチが決定した。実は当初、皇治の対戦相手として元WBO世界バンタム級王者、元WBC世界スーパーバンタム級暫定王者の亀田和毅(29)の電撃参戦交渉が進んでいたことも判明。ボクシング界との関係を考慮し最終的に亀田サイドが辞退したため、急遽、代役にMMA界の“レジェンド”が指名され10キロ近い体重差のある異色マッチに落ち着いた。また那須川天心(22、TARGET/Cygames)の参戦も発表された。
ルールも固まり電撃発表寸前で幻に
衝撃の事実が判明した。すでに皇治がYouTubeで明らかにしていたが、現役ボクサーである亀田和毅とのRIZIN特別ルールによる異色マッチが水面下で進んでいたことを榊原CEOが「交渉していたのは事実です」と認めたのだ。 「総合的にJBCとかボクシング界とのルールも含めた判断でなくなった」 結論としては幻のカードとなったのだが、もし実現していれば朝倉海V堀口恭司のメインを食うインパクトのあるカードになっていたことは間違いない。兄の興毅氏は、すでにAbemaTVの企画で那須川天心とボクシングルールで対戦しており、ツイッターで舌戦をしていた興毅vs皇治に、それほどの話題性はなかったが、現役の和毅との対戦となれば話は別だ。 しかも出場打診は「和毅君側からだった」(榊原CEO)という。 交渉の過程で和毅vs皇治戦のルールも今回と同じくスタンディングバウトと「キックあり」のラウンドを織り交ぜた特別なもので固まり、まず和毅がボクシング引退を電撃発表、その後にRIZIN参戦会見が行われるという手順まで決まっていた。皇治は、実際、和毅戦に備えて出稽古を重ねながらプロボクサーとのスパーリングを消化していた。 和毅は協栄ジムが休会届を出して事実上の閉鎖となって以来、所属ジムを失い、昨年7月に米国で開催されたWBC世界スーパーバンタム級統一戦に負けて以来、1年以上試合をしていない。他ジムからの誘いもあったが、RIZINの舞台という新しいチャレンジは魅力で、本人の参戦意志も固かったようだが、亀田家内の話し合いの中で参戦は取りやめになった。 関係者の話を総合すると年齢的にも実力的にもまだ十分にボクシングの世界王者への返り咲きを狙える位置にあることに加え、現在、兄の興毅氏が、大阪市内でもう一度プロのボクシングジムを開設する計画を進めていて、西日本プロボクシング協会への加盟を認めてもらうための推薦人を集めるなどの具体的な動きをはじめており、いくら引退してからのRIZIN参戦といえど無関係というわけはいかずJBCを含めたボクシング界との関係性など様々な要素を考慮したものと見られる。業界内には様々な意見もあるが、JBC規約も含めてボクシング界は格闘技界と一線を引く姿勢を崩していない。 「みんな選手は(RIZIN参戦を)やってみたいなものだが、いざ動きだすとルールとか、いろんな人たちの思惑と違うことになってしまう。本人はボクシングがすべて。それを捨ててまでの大事になることが動きだしてわかることもあったと思う。残念ではあるが正しい選択なのかなと。現役ボクサーとして世界と戦える選手。それが一度、RIZINに出てみたら、もう海外で(ボクシングで)戦えないのは不本意だと思う。無理強いはしない」と榊原CEOは経緯を説明した。