プロボクシング全日本新人王決定戦の前々日PCR検査で3人に陽性反応…偽陽性の可能性もあり再検査へ
プロボクシングの第67回全日本新人王決定戦(21日・後楽園ホール)の全出場選手24人のPCR検査が19日、都内で行われ、3人に新型コロナウイルスの陽性反応が出たことが明らかになった。3人は高熱など新型コロナの症状のない無症状で「偽陽性」の可能性があり今日20日に再検査が行われる。選手名は公表されていないが、2人が東軍の選手、1人が西軍の選手。3人は現在、ホテルに隔離されている。また他の21選手に関しては全員が陰性だった。 全日本新人王決定戦は、東西のそれぞれの新人王戦を勝ち抜いてきた勝者が対決する伝統あるビッグイベント。世界への“登竜門”ともされており、古くはファイティング原田氏やガッツ石松氏、近年では、元WBC世界フライ級王者の内藤大助氏、元WBA&IBF世界ライトフライ級統一王者の田口良一氏、昨年WBO世界フライ級王者となった中谷潤人(M.T)らが、ここをステップに世界へと羽ばたいている。 今大会はミニマム級からミドル級まで全12階級にわたって行われる予定で24人がエントリーしていた。本来は12月末に行われるが、新型コロナの感染拡大による興行自粛の影響を受けて各地区の予選スタートが遅れ年を跨いでの異例の開催となった。 今後の対応については、JBC(日本ボクシングコミッション)と大会を主催する日本プロボクシング協会が協議して決定する。緊急事態宣言を受けて、元々無観客での開催となっており、もし再検査でも陽性反応が出た場合は、当該選手のカードのみを中止とし、万全の安全を確保した上で大会は開催される方向。 プロボクシング界は、新型コロナ対策の厳格なガイドラインを作成し、各ジムでの感染予防対策を徹底。興行に関しては、人数制限など厳しい条件をつけ、試合の前々日に(今後は前日)全選手とチーフトレーナー、レフェリーのPCR検査を義務づけている。 延長された緊急事態宣言の効果もあってか、都内を含めて新規感染者の数は全国的に減少傾向にあり、ワクチン接種もスタートしたが、今回、3人もの陽性反応者が出たことは、まだ感染状況が収束には向かっていないという現状を表しているのかもしれない。 昨年11月3日には大阪でWBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(ワタナベ)の防衛戦が予定されていたが、試合前日のPCR検査で京口とチーフトレーナーに陽性反応が出て世界戦が急遽中止となっている。